法廷内音声SNS配信で異例対応 地裁、傍聴人の携帯端末を封筒に

岡山地裁

 岡山地裁での刑事裁判で7月、法廷内の音声がSNS(交流サイト)で同時配信された問題で、判決公判があった8日、地裁は傍聴人が所持するスマートフォン、タブレットといった携帯端末を封筒に入れて封をする対策を講じた。地裁によると、端末を操作させないための異例の対応としている。

 裁判所法などは法廷内の撮影や録音は原則禁止しており、地裁は4日付で岡山中央署に告訴したことも明らかにした。容疑名など告訴内容は公表していない。

 判決公判の開廷前、十数人の傍聴人全員に所持品検査を実施。電源を切った携帯端末を封筒に入れ、ホチキスで封をした状態で入廷させた。法廷内では本村暁宏裁判長が「録音や配信は禁止されている」と改めて警告した。

 被告は偽造した運転免許証でレンタカーを借りたとして詐欺罪などに問われ、執行猶予付きの有罪を言い渡された。地裁によると、判決公判の音声が配信されたとの情報はないという。

 7月5日の初公判では、Xに改称した旧ツイッターの音声サービスに被告人質問のやりとりが配信され、外部から指摘された地裁職員が確認した。

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