米国輸入で中国が首位陥落 1~6月、15年ぶり

米カリフォルニア州の貿易港=昨年10月(ゲッティ=共同)

 【ワシントン共同】米商務省が8日発表したモノの通関ベース(季節調節前)の貿易収支によると、2023年1~6月の輸入額に占める国別割合で、中国が15年ぶりに首位から陥落した。2009年から最大の輸入先だったが、今回はメキシコとカナダが上回り、3位だった。

 米中は22年に輸出入を合わせた貿易額で過去最高を更新したが、追加関税や規制強化などを背景に勢いが鈍化。貿易活動の構図が変わり、米中経済分断が加速していく可能性がある。

 23年1~6月の中国からの輸入額は2029億6500万ドル(約29兆円)で、輸入額全体に占める割合は13.3%だった。5年前の18年1~6月には20%超だったが、急落した。今回はメキシコが15.5%、カナダが13.8%の輸入を占めた。日本は4.7%で、ドイツに次いで5位だった。

 米中の緊張の高まりや中国での賃金上昇などを受け、米企業がサプライチェーンを再編し、中国への依存を減らしているとみられる。ただ、追加関税を避けるために中国からの輸入を過少報告しているという指摘もある。

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