「スプリング8」高性能化提言 100倍に、文科省報告書

大型放射光施設「スプリング8」の内部=兵庫県佐用町

 文部科学省の検討チームは9日までに、物質の微細な構造を明らかにできる大型放射光施設「スプリング8」(兵庫県)の性能を現在の100倍に向上させるべきだとする報告書を公表した。約500億円の費用が見込まれ、文科省は2029年度の利用開始を目指し、24年度の概算要求に関連予算を盛り込む意向。

 報告書によると、スプリング8は1997年の利用開始から25年以上が経過して設備の老朽化が指摘され、欧米や中国などでは、施設の高性能化や新規建設が進んでいる。報告書は「世界をリードする意欲的な戦略をとるべきだ」と提言した。

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