【関東大震災100年】住居倒壊、余震続く中 竹藪での避難に蚊帳活用 綾瀬市で被害振り返る企画展

竹藪での避難生活で欠かせなかった蚊帳も展示=綾瀬市役所市民展示ホール

 関東大震災から100年を迎え、神奈川県綾瀬市内の被害状況を文化財資料などで振り返る企画展が、市役所内の市民展示ホールで開かれている。入場無料で26日まで。

 当時の綾瀬村は人口6068人、戸数924戸。被害は死者17人、負傷者25人で、倒壊した建物は1370棟に上り、甚大だった。ただ、東京や横浜などの都市部と違って農村だった同村は昼食を午前11時前後に済ませており、炊事による火災が起きなかったことを「不幸中の幸いだった」と紹介している。

 「立っていられないほどの激しい揺れで、庭に出て桑の木にしがみついた」など住民から聞き取りした体験談のコーナーを設置。30を超える証言者の体験場所を地図上に示し、被害が大きいとされる低湿地と少ない台地を比較できるように展示している。

 また、「竹藪(やぶ)での避難生活」では、その様子の一部を再現。余震が続く中、住居が損壊した住民は根がしっかりと張って地割れの恐れがない竹藪で夜を過ごした。蚊の多さに悩まされ、その防止策として活用した蚊帳を展示している。

 午前9時~午後4時(26日は正午)。11、13日は休み。市学芸員による展示解説が12日と20日(各日午前10時、午後2時、当日受け付け)に行われる。

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