中城村の奥間と南上原の斜面、「地すべり防止区域」指定へ 説明会予定日に台風 来月に延期

 【中城】台風6号の影響で地滑りが起きた中城村奥間と南上原の斜面について、県中部土木事務所は「地すべり防止区域」に指定する方針を固めた。今月2日に地権者への説明会を実施する予定だったが、台風の影響で9月5日に延期。地滑り発生の斜面の下に奥間の集落があり、住民から不安の声が上がっている。

 中部土木事務所は区域指定に当たり、説明会で地権者に対して同意を求める。指定されると切り土やため池の設置など、地下水を誘致したり地下水の排水施設の機能を低下させたりする行為が制限される。地滑り抑制の設備を設置するため、土地が使用できなくなる可能性もある。斜面の地権者のうち約半数は企業。県の担当者は取材に「土地の活用を予定している方もいたと思う。大きな被害が想定されることを丁寧に説明し、理解を求めたい」と述べた。同意が得られれば、2024年度から対策工事の設計を始める予定だ。

 国は西原町、中城村、北中城村にまたがる地滑り危険箇所を「中頭東部地すべり地区」に指定している。今回地滑りがあった斜面も同地区内にある。奥間自治会の末吉義良自治会長によると、これまでも大雨が続くと地滑りがあり、自治会は再三、村や県に対策を求めてきた。

 (名嘉一心)

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