初のAI集計、青森ねぶた祭人出101万人 目視の昨夏から4万人減

 青森ねぶた祭実行委員会は8日、2023年の祭り期間中(2~7日)の人出が、計101万人だったと発表した。今夏は人工知能(AI)による沿道の画像解析を集計に導入。目視などから推計値として発表していた22年夏の人出は計105万人だった。実行委は、今夏の集計方法は「実験的なもの」だったとして、来夏の祭りに向け「AIの活用も含めて、方法をさらに考えていきたい」としている。

 集計作業はNTT東日本青森支店からの協力を得た。投光器付きの台車に載せたウェブカメラ2台が、移動しながら沿道の両サイドを撮影。AIが画像を解析して人物を検知し、人数を自動的に計測する方法を取り入れ、集計した。

 23年の祭りは、23台全ての大型ねぶたが出陣した5日(土曜)の人出が、期間中最多の25万人だった。一方、目視で推計した22年は、夜間合同運行最終日の6日(土曜)に公表した30万人が最も多かった。新型コロナウイルス禍前の19年は、期間中に計285万人が訪れたとされる。

 ハネトの人数は実行委が実測値として公表している。自由参加が4年ぶりに復活した23年は計11万800人で、ハネトの参加に制約があった22年の8309人を大幅に上回った。

 実行委事務局を務める青森観光コンベンション協会の六角正人専務理事は「肌感覚では、昨年に比べ今年の盛り上がりは桁違いに大きかった」と評価。AIによる集計は、道路から離れた場所にいる観客を把握しきれないなどの課題があると指摘しつつ「今回の試みが、人出の集計方法そのものを考える一つのきっかけになれば」と話した。

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