水産大手3社が合同で海岸清掃 社員や家族200人が参加(SeaBOS)

持続可能な水産物や海洋環境の保全を目指すSeaBOSに参画するマルハニチロ、ニッスイ、極洋の3社は7月29日、初めて合同で海岸のクリーンアップ活動を行った。当日は千葉・稲毛海浜公園に3社の社長をはじめ、社員とその家族ら合計201人が参加。約30分にわたり砂浜に落ちているプラスチックごみなどを拾った。

活動の開始にあたり、ニッスイの浜田晋吾社長執行役員は「2050年には海洋プラスチックごみが海の魚の量を上回るとも予測されている。われわれが拾う一つずつのごみは小さいかもしれないが、大切な取り組み」とあいさつし、極洋の井上誠社長は「くれぐれも熱中症には気をつけて」と呼びかけた。

(左から)井上誠社長(極洋)、池見賢社長(マルハニチロ)、浜田晋吾社長(ニッスイ)

清掃活動は各社ごとにエリアを分けて実施した。夏休み期間中ということもあり、家族連れの参加が目立った。午前中から30℃を超える暑さとなったが、近隣在住というニッスイ社員は「非常に良い活動だと思う。子どもにとっても貴重な経験になる」、小学生の女の子は「遠くからきれいに見える海岸にもゴミが落ちていることを知った」と話した。海岸に残っていたゴミはビニール袋の切れ端や、使い終わった花火、たばこの吸い殻などが多かった。なお、当日の収集重量は「燃えるゴミ」が19.5㎏、「缶・ペット・瓶」が2.5㎏。

閉会にあたり、マルハニチロの池見賢社長は「日ごろは水産業界の中で切磋琢磨している3社が合同で取り組むのは画期的なこと。海をきれいに保ち、水産資源を守っていくことはわれわれの使命」などあいさつした。合同の活動は今後も継続する予定。

SeaBOS(Seafood Business for Ocean Stewardship)は2016年設立。グローバルな視点で活動し、日本の3社に加え、世界の大手水産企業6社や海洋・漁業・持続可能性を研究する科学者らが参画する。主要テーマのうち「海洋プラスチック汚染への対応」は日本の3社が中心的な役割を担う。

© 株式会社食品新聞社