毒針を持つ特定外来生物ヒアリ、兵庫で6年ぶり確認 神戸のコンテナヤード 環境省「5000匹以上が生息」と推定

神戸市中央区のポートアイランドで見つかったヒアリ(環境省提供)

 環境省と神戸市は9日、「要緊急対処特定外来生物」のヒアリが、同市中央区のポートアイランドのコンテナヤードで発見されたと発表した。2017年に同市と兵庫県尼崎市で国内初確認されて以来、同県内で見つかるのは6年ぶり3例目。同省は殺虫剤入りのえさで駆除し、コンテナヤード内や周辺の緊急調査を行う。

 南米原産のヒアリ(体長2.5~6ミリ)は毒針を持ち、刺されると強い痛みやアレルギー反応を起こす。国内では17年、神戸港を経由して尼崎市内に運ばれたコンテナ内などで初確認されたが、全て駆除された。同省によると、これまでに18都道府県で見つかった。

 今回は7日に行われた同省の定期調査で、貨物を保管するコンテナヤードのアスファルトの隙間から、複数の個体が出入りしているのが見つかった。同省は目視できた個体数から「5千匹以上が生息する」と推定。ただ、営巣を行う女王アリや羽アリは確認されておらず、神戸市は「海外から持ち込まれた可能性が高い」としている。

 また、巣が拡散している可能性も低いとみているが、同省などは範囲を広げた調査を行う方針。市民には個体を発見しても触らず、速やかな通報を呼びかける。ヒアリ相談ダイヤルTEL0570.046.110 (井沢泰斗)

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