少年事件記録廃棄問題を巡る本紙報道、第3回調査報道大賞を受賞「喫緊の課題浮き彫りに」 神戸

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 ジャーナリストらでつくるNPO法人「報道実務家フォーラム」とスローニュース社は9日、第3回調査報道大賞に、神戸新聞社の「神戸連続児童殺傷事件の全記録廃棄スクープと一連の報道」を選んだと発表した。授賞理由で「公的記録の保存が日本において喫緊の課題であることを浮き彫りにした」と評価した。

 同じく大賞には、週刊文春による「ジャニーズ事務所・ジャニー喜多川 少年たちへの性加害の一連の報道」も選ばれた。

 神戸新聞は2022年10月20日付朝刊で、1997年の神戸連続児童殺傷事件で逮捕された当時14歳の「少年A」に関する全ての事件記録が廃棄されていたことをスクープした。さらに、2004年に長崎県佐世保市で起きた小6女児殺害事件をはじめ、全国で重大少年事件の記録廃棄が相次いでいた事実も続報。連載企画などで事件記録を適切に保存するよう訴えた。

 最高裁は今年5月、記録廃棄の責任を認めて謝罪し、第三者委員会を設置するなどの再発防止策を講じるとした。

 同大賞は20年度以降に発表、または成果が顕著になった調査報道が対象で、計90作品の応募・推薦があった。授賞式は9月29日に東京都内で開かれる。

■特集ページ「失われた事件記録 神戸連続児童殺傷事件の現地から」

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