「緑地」を不動産業者に誤売却めぐり訴訟 掛川市に土地と引き換えに4400万円支払い命令=東京高裁

静岡県掛川市が本来売却できない市の土地を誤って不動産業者に売却した問題を巡り、東京高等裁判所2023年8月9日、業者から土地の返却を受けるのと引き換えに4400万円を支払うよう掛川市に命じました。

この問題は2018年、掛川市家代の里の本来は市で維持管理すべき「緑地」を、市が誤って市内の不動産業者に約1000万円で売却したものです。

誤りを把握した市は、売却から1年後の2019年に不動産業者に買い戻しを要求しました。しかし交渉は難航し、不動産業者は2020年、市に対し開発で得られたとみられる利益など約2億6000万円の損害賠償を求める訴えを静岡地方裁判所に起こしました。

静岡地裁の一審では、業者から土地の返却を受けるのと引き換えに、3500万円の支払いを市に命じる判決が下されましたが、市はこれを不服として控訴していました。

市は「『緑地』がなくても開発を進められる」などと主張していましたが、8月9日、東京高裁は静岡地裁の判決を支持し、市に対し、業者から土地の返却を受けるのと引き換えに、土地代金約1000万円を含む4400万円の支払いを命じました。

掛川市の久保田崇市長はこの判決に対し、「今後の対応については判決文の内容を精査した上で検討したい」とし、上告の意思を明らかにしていません。

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