京アニ事件裁判員を候補者500人から選任 異例の長期審理、4割超が辞退

京都地裁

 36人が死亡した京都アニメーション第1スタジオ(京都市伏見区)の放火殺人事件で、殺人や現住建造物等放火など五つの罪で起訴された青葉真司被告(45)の裁判員裁判について、裁判員の選任手続きが9日、京都地裁であった。同地裁で過去2番目の多さとなる500人の候補者から、裁判員6人と補充裁判員6人が選任された。異例の長期審理が予定される中、4割以上が辞退した。

 青葉被告の初公判は9月5日に開かれ、判決は来年1月25日に言い渡される。予備日を含めて計32回の期日が指定され、実審理期間は143日に及ぶ。裁判員の心身への負担も相当大きくなると見込まれる。

 地裁によると、これまでの選定候補者数の最多は、向日市や大阪府の高齢男性4人に青酸化合物を服用させるなどした連続殺人事件の920人だった。

 今回呼び出し状を送ったのは320人。うち仕事や病気などを理由に209人が事前に辞退した。この日の選任手続きには63人が出席し、当日辞退した14人を除いて抽選で選任した。欠員などに備える補充裁判員は上限の6人とした。

 起訴状によると、青葉被告は2019年7月18日午前10時半ごろ、京アニ第1スタジオに侵入。ガソリンをまいて放火して全焼させ、屋内にいた社員36人を殺害、32人に重軽傷を負わせたとしている。

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