津軽の魅力「ぎゅっと」 堀田真由さんら舞台あいさつ 「バカ塗りの娘」都内でも試写

舞台あいさつに登場した堀田さん(中央)ら=9日、東京・池袋

 津軽塗をテーマに青森県弘前市で全編ロケが行われた映画「バカ塗りの娘」の完成を記念して、主演の堀田真由さんらが9日夜、東京・池袋の映画館で舞台あいさつした。周囲の反対を押し切って津軽塗に挑戦する青木美也子役を演じた堀田さんは「津軽塗、弘前の四季折々の風景など、いろいろな魅力がぎゅっと詰まった作品です」とPRした。

 映画は、三戸町在住の作家髙森美由紀さんの小説を原作に、鶴岡慧子監督がメガホンを取った。「バカ塗り」と表現されるほど塗り、研ぎ、磨きを繰り返す津軽塗を軸に、美也子と津軽塗職人の父との絆を描いた。25日から県内で先行上映される。

 あいさつでは堀田さん、父・清史郎を演じた小林薫さん、兄役の坂東龍汰さん、美也子が思いを寄せる青年役の宮田俊哉さん、鶴岡監督が登壇。堀田さんは父娘で黙々と漆を塗るシーンを振り返り「せりふがなくても言葉が聞こえてくるよう。津軽塗の前なら素直になれるんだなと思って演じました」と話した。

 小林さんは「津軽弁の負担を軽くするため、せりふを削ってもらった」と笑いを誘いつつ、その分「父親の不器用さが表現できたのでは」と裏話を披露した。

 試写に参加した弘前市出身の野村洋子さん=東京在住=は「素晴らしかった。ストーリー性があり、津軽塗に対する情熱や温かみが伝わってきた」と語った。

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