JR芦屋駅南の再開発事業 応募の事業者が辞退「要件満たすのは難しい」 市が再公募へ

芦屋市役所=芦屋市精道町

 兵庫県芦屋市は9日、JR芦屋駅南地区の再開発事業を巡り、計画の一部見直しに伴って再募集していた特定建築者について、応募のあった東急不動産(東京)が辞退したため、手続きを中止したと発表した。辞退の届け出は7日付。

 再開発事業では、駅前にバスロータリーを含む交通広場を整備し、地権者の住居や公益施設が入る地上11階、地下2階建てのビル2棟を建設する。再開発の見直しを掲げて当選した高島崚輔市長は、基本的な計画を維持しながらも、緑地を増やすことや図書館を整備する方針を決定。7月から特定建築者を再募集し、東急不動産1社が応募していた。

 東急は辞退理由について、見積額が市の予算を大幅に上回る▽同時期に周辺道路の整備があり、工事車両の動線が確保できない-などの状況から、ビルと歩行者通路、駐輪場の「同時供用開始」の要件を満たすのは難しいと説明したという。

 市の計画では2025年1月ごろに着工し、28年9月の完了を見込んでいる。市は「できるだけ早く再公募し、スケジュールが遅れないよう努める」としている。(山岸洋介)

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