九州、四国の各地に線状降水帯 台風6号が北上、記録的大雨

台風6号の影響で強い風雨が続いた福岡市内=10日午前

 台風6号は10日、対馬海峡を北上した。九州と四国の各地では10日にかけて線状降水帯が発生。台風の動きが遅く影響が長引いており、総降水量が千ミリに迫る地点があるなど記録的な大雨となっている。気象庁は土砂災害や低い土地の浸水、河川の氾濫に厳重な警戒を呼びかけた。

 台風本体や周辺の発達した雨雲により、積乱雲が次々と連なる線状降水帯が10日未明、大分県南部から宮崎県北部、愛媛県から高知県にわたって発生。宮崎県日之影町や延岡市は最高レベルの避難情報「緊急安全確保」を発表した。九州各県では、長崎市で9日夜に男女3人が強風にあおられて転倒するなど、けが人が相次いだ。

 6時間降水量は10日午前9時時点、高知県いの町で332.5ミリと観測史上最多を更新。影響の長期化によって72時間降水量も日之影町で703.0ミリ、鹿児島県屋久島町で641.0ミリと観測史上最も多くなった。宮崎県美郷町では1日の降り始めから10日午前5時までの降水量が980.0ミリに達した。

台風6号の暴風で荒れた波が打ち寄せる鹿児島市の港=9日午後

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