中国、日本への団体旅行を解禁 コロナによる停止から3年半ぶり

北京首都国際空港で日本行きの便にチェックインするため、列に並ぶ中国人の個人旅行客ら=10日(共同)

 【北京共同】中国政府は10日、新型コロナウイルス流行を受けて停止していた日本への団体旅行を同日、約3年半ぶりに解禁したと発表した。日本政府は急増も予想される中国人観光客の受け入れに向けた準備を始めた。在中国日本大使館は、中国の旅行社からのビザ(査証)発給の申請増加が見込まれるとして、態勢強化を図る。

 日本政府によると、新型コロナウイルス感染症の流行前の2019年には中国人客がインバウンド全体の約3割を占めていた。団体旅行解禁により、コロナ前の水準に中国人観光客数が回復する可能性もあり、日本国内の観光地で期待が高まっている。

 中国政府の解禁方針が伝わった10日の東京株式市場では、航空や鉄道などインバウンド関連企業の株価が上昇した。中国政府は10日、米国や韓国、ドイツ、オーストラリアなどへの団体旅行も同日解禁したと発表した。

 関係筋によると、在中国日本大使館でのビザ申請は現時点で、コロナ前の半分程度の水準にとどまっている。同大使館は中国の旅行会社と意思疎通するなど情報収集を始めた。

中国人訪日客の推移
訪日客数の推移

© 一般社団法人共同通信社