渋野日向子が味わう“年イチ”の楽しみ「全英優勝は人生で一番デカいこと」

全英の会場を訪れるのは「年1回の楽しみ」(撮影/村上航)

◇海外女子メジャー最終戦◇AIG女子オープン(全英女子) 事前(9日)◇ウォルトンヒースGC (イングランド)◇6881yd(パー72)

会場駐車場に入れば、2019年の自分に“再会”できる。渋野日向子にとっては、歴代覇者として飾られた看板を見るのが「1年に1回の楽しみ」だという。「ちょっとずつ(優勝を)増やしていけるようには頑張りたいですけど…」と笑いつつ、4年前の記憶が色あせることはない。

自分より若い選手たちに影響を与えた1勝だった(撮影/村上航)

「自分のゴルフ人生において一番デカいことって、全英で勝ったこと」。渋野のキャリアを大きく変えた1勝は、さらに若い選手たちにも多大な影響を与えている。今週の日本勢は大会史上最多の16人。そのうち渋野より年下の選手が11人を占める。当時中学生だったアマチュアの馬場咲希(東京・代々木高)がテレビにくぎ付けになったように、全英女子を19年大会とイコールで結び付けている選手は多い。

「自分の中の位置づけとしても大きい。自分よりも年下の選手がそうやって(優勝した大会を見て憧れたと)言ってくれているのはうれしいこと」。喜びながら、ちょっとした月日の流れも実感する。「その場所で一緒に戦えることに、あれから時間が経ったなって思います」

今年も期待がかかる大会(撮影/村上航)

2001年のメジャー昇格以降、初出場で優勝した唯一の選手。昨年は日本勢初のメジャー2勝目に迫り、プレーオフ進出に1打及ばず3位でフィニッシュした。特に1年前は予選落ちが続いた中での優勝争い。自ら「根拠のない3位」と表現するほど、この大会で強さを発揮してきた。

さあ大一番へ(撮影/村上航)

日本メディアはもちろん、海外メディアからも視線を送られる1週間。「あんまり注目しなくていいんですけど。ほっといてもらって大丈夫なんですけど」。おどけた口調で笑わせながら、渋野自身が誰より心待ちにしているメジャーが始まる。(イングランド・サリー/亀山泰宏)

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