樋口幸平が演じたあのシーンで、増子敦貴が心を奪われた!――BLドラマ「体感予報」インタビュー

樋口幸平さんと、GENIC・増子敦貴さんがダブル主演を務めるドラマシャワー「体感予報」(MBSほか)が8月10日よりスタートします。本作は、多種多様なBLドラマを提供してきたMBSドラマシャワーと、大人気BL作品を刊行するKADOKAWAの2023年度コラボ企画第2弾として、コミックシーモアなどで累計DL数1000万を突破し「BLアワード 2023」コミック部門1位などを受賞した鯛野ニッケさんによる人気BL漫画を実写ドラマ化したものです。

爽やかイケメン気象予報士として人気の瀬ヶ崎瑞貴(樋口)の本性はとんでもない暴君。崖っぷちエロ漫画家の棚田葉(増子)と同居し、家事全般からその他諸々の世話をさせていました。漫画家としてなかなか芽が出ない葉の衣食住を保証する約束で始まったこの生活は「瀬ヶ崎の言うことを全部聞く」という条件付きで始まる、天気模様と共に映し出されるラブストーリーです。

TVガイドWebでは、超俺様な性格の爽やかイケメン気象予報士・瀬ヶ崎瑞貴を演じる樋口幸平さんと、瀬ヶ崎に言いなりの売れないエロ漫画家・棚田葉を演じる増子敦貴さんに、役どころや印象深いシーンなどを伺いました。

――主演のお話を聞いた時のお気持ちをお聞かせください。

樋口 「『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』(テレビ朝日系)から2作連続で主人公を演じることができ、感謝の気持ちでいっぱいでした。主演というのは作品自体を引っ張っていく存在だと思っているので、撮影期間は努力を怠らないよう頑張りました。主演として、現場の皆さんを温かく迎えられる雰囲気作りを意識して臨みました」

増子 「相手役がすでに仲の良い幸平だったので、主演ならではのプレッシャーはそこまで感じませんでした。信頼のような、心のどこかで任せられるという思いもあり、逆にワクワクと楽しみが日に日に増してクランクインが待ち遠しい日々でした」

――お二人の主演が発表された際、SNSでトレンド入りをしたり、原作の鯛野先生がお二人のロケの様子をイラストで描き下ろしたりなど話題になりましたが、それを受けていかがでしたか。

樋口 「多くの反響をいただき、原作の人気のすごさ、瀬ヶ崎瑞貴や棚田葉のファンがこんなにもたくさんいらっしゃるのかと驚かされました。スーパー戦隊シリーズに出演している2人がBLドラマでダブル主演を務めるということで盛り上がってくださったのもあり、さまざまな視点でたくさんの方々が話題にしてくださってうれしかったです。この反響をしっかり受け取り、これから先も盛り上げ続けていきたいです」

増子 「想像していたよりも大反響で、まさに“大成功の予報”のようだなと思いました。鯛野先生が現場に来てくださり、ロケで演じている僕たちのことを漫画の中のキャラクターではなく、僕らに寄せた感じで描いてくださっていて、思いやりや優しさを感じました。現場でも伸び伸びと葉を演じさせていただけたので、鯛野先生の作品に携わることができて良かったと思っています」

――お互い自分の役にどのような印象を持っていますか。

樋口 「とても挑戦しがいのあるキャラクターという印象がありました。原作があり、かつビジュアルが重視される格好いいキャラクターというのは経験してみたい役どころだと思っていたので、任せていただけたというのが自信になりました。瑞貴は完璧な男性なので、カメラに映る一つ一つのカットでも気を抜けなかったです。特にビジュアル面は瑞貴を成り立たせる上ですごく大事な要素でしたので、集中してビジュアルを崩さないように意識して演じました」

――メークや髪形も意識されたのでしょうか。

樋口 「キスシーンでは横顔がとても大事だと台本を読んだ段階で分かっていたし、脱ぐシーンもあるため撮影前からトレーニングをして体づくりをしました。少しでも『瑞貴っぽいね』と言っていただけたらと思っています。葉の前にいる時の瑞貴は首元や鎖骨が見える服でセクシーにしてもらい、髪形もメークも衣装もスタッフの皆さんに瑞貴でいられる環境を全力で整えてもらい、みんなで作り上げていきました」

――瑞貴の二面生を演じてみていかがでしたか。

樋口 「仕事で見せる姿と葉の前で見せる姿がかなり異なるので、ギャップをつけなくてはならないのですが、外側だけのキャラクターから役を作ろうとするとセリフが浮いてしまうのです。キャラクターから入って演技をすると自分のものにならないため、樋口幸平と瀬ヶ崎瑞貴をいかに融合させるかを毎日考えたり、監督に助けられたりで、しっかりとなじませることができました。葉の前では爽やかさは全く作らずセクシーに演じられたと思っているので、そのギャップにぜひ注目していただきたいです」

――増子さんは、演じる棚田葉にどのような印象を持たれていますか。

増子 「序盤はもちろん…(ここで樋口さんが増子さんをくすぐり)今いたずらされました、瀬ヶ崎瑞貴に(笑)。こういうところがすごく瑞貴っぽいなと思っています」

――普段からそういった仲の良い雰囲気なのでしょうか(笑)。

増子 「毎回こんな感じで接しています(笑)。あ、役どころのお話ですよね。本作の序盤は葉の目線で描かれていくので、モノローグのセリフが多めになっており、画面に映っている表情を細かく伝えなければならないところが難しかったです。少しだけ見せる喜怒哀楽や嫉妬など、何種類もある感情を心の中のセリフだけで演じるのは難しいだろうなという印象を台本を読んだ時点で持っていました」

――演じる上で意識した部分や、監督と相談したところはありますか。

増子 「例えば、自分の中で出したい葉の笑顔と監督が出してほしい葉の笑顔に幅がありました。そういう時は、現場で監督と何度もやりとりをして葉を作り上げていきました。結果、今まで以上に良い表情で演じることができたので、周りの皆さんのおかげで成長できたと思っています」

――モノローグはどのタイミングで録ったのでしょうか。

増子 「本番はこれからなのですが、現場で仮録りをしたので、台本を読んだ時よりもさらに気持ちを込めて演じられそうです」

――先ほどお二人の仲の良さが伺えたところがありましたが、お互いに持っていた印象や撮影していく中で新たな発見はありましたか。

増子 「僕は幸平より年が一つ上で先輩ですので、知り合った段階ではいわゆる先輩面をしていました(笑)。でも、この現場に入った時にはもうお互いに役のスイッチが入ってしまい、その段階で瑞貴と葉の立場になってしまいました。ですので、先ほどのようにわちゃわちゃとなることが多いです。そして役のスイッチが入ってあらためて感じたのは、葉は思ったよりもいい意味でやんちゃ、そして、つかみやすいキャラクター性でかわいい人柄だということに気がつきました」

――樋口さんはどうでしたか。

樋口 「最初に持っていた印象と違いました。お会いした時は誰に対しても分け隔てなく接してくださる方という印象を持っていましたが、一緒に撮影をしてみたらとても楽しい方でした。僕は人によってまず距離感を伺いますが、あっちゃんには積極的にいっても大丈夫だというのは話してみて分かったので、自然と仲良くなっていきました」

増子 「つかみどころがないと言われることがあり、人によっては距離感を詰めてくれない方もいらっしゃるので、ためらいなく踏み込んでくれてうれしかったです」

――お互いこの役で良かったなと思ったのはどのような時でしょうか。

樋口 「まずは相手役があっちゃんだから良かったというのがあります。ダブル主演でしたが、あっちゃんにずっとサポートをしてもらいました。でも瑞貴はメインキャラクターの1人なので、ある瞬間から『あっちゃんと一緒に前に!』ということではなく、『このシーンは自分が引っ張ろう』というふうに決めていました。撮影前に『瑞貴を立てなきゃいけない部分がある』とあっちゃんが言ってくれたので、そこは甘えました。逆もしかりで、葉を美しく見せなきゃいけないシーンもたくさんありました。そこはお互いにリスペクトをしつつ、美しく見せようという協力をしました。これはあっちゃんだからこそ成り立ったのではないかなと思います」

増子 「樋口幸平と増子敦貴の今の関係性があるからこそ、どんなシーンでも自然と笑顔があふれ出ると思っています。お互いの距離が近いからこそできる表情というものがありますよね。こればかりは練習しても出せない表情だと思っています。今の2人の距離感、この関係性が演技につながって良かったと思っています」

――演じているキャラクターとご自身が似ているところはありますか。

樋口 「瑞貴は頼りがいがあるキャラクターだと思っています。でも、頼りがいがあって強気ならばもっと大人っぽくてもいいと思うのに、葉に対して嫉妬や束縛をして、少し子どもっぽいところもあります。そういう少し素直になれない一面は自分と似ているなと思いました」

増子 「原作でキャラクターを初めて見た時に、しゃべり方やイメージは自分に似ていると思いました。あと、葉はエロ漫画家なので、独特な発想をお仕事にしていますよね。僕も人とお話している時に『感性が独特だね』とは言われることがあるので、表現者としてそこは共通していると思います」

――特に印象に残っているシーンはありますか。

樋口 「第1話にベッドシーンがあるのですが、撮影期間の中でも結構しっかりと引きつけられる絵になるように撮ったので印象に残っています。徐々にではなく、1発目からインパクトを与えられるようなシーンが組み込まれているので、まずそこで最初に『体感予報』を感じられると思います」

増子 「デートの時にベッドのシーツを買いだめした後のベッドシーンで、瑞貴が『シーツを買ったからいっぱいできるじゃん。大好きなセックス』と言うセリフがあるのですが、原作を読んだ時からそのシーンのとりこになってしまいました。映像でもあの瑞貴を皆さんに見ていただきたいです。心から格好いいと感じたので思い出深いシーンです」

――樋口さんはそれを聞いて今どう思いましたか。

樋口 「普段は使わないセリフだと思うので、ナチュラルになじませるため試行錯誤しましたが、格好いいと思っていただけたと分かって頑張って良かったと思いました。あの撮影期間中は瑞貴を演じているから何も思わなかったけれど、今考えると少し恥ずかしいです(笑)。役に入れたからこそですね」

――本作で印象深いシーンの一つとしてカレーが出てきますが、好きなカレーの具を語っていただけますか。

樋口 「僕はリンゴです」

増子 「え? そうなの?」

樋口 「リンゴを入れたらカレーが甘くなるよ。あっちゃん、知らなかった?」

増子 「知らなかったよ。ちなみに僕はホウレン草です。カレー屋さんに行くとホウレン草カレーを食べてしまいます」

樋口 「え? ホウレン草を入れたらおいしくなるの?」

増子 「ホウレン草カレー、お店で食べても自分で作ってもおいしいんだよ」

――ちなみに、お互いに1品料理を振る舞うとしたら何をごちそうしますか。

樋口 「チーズダッカルビです。おいしく作れるよう練習しました。今度あっちゃんに振る舞ってあげるよ」

増子 「うん! ごちそうしてほしい。ちなみに僕は月1で料理の配信をしているんです」

樋口 「えっ? そうなの?」

増子 「最近おいしく作れたのはトムヤムクンなので、幸平にはトムヤムクンを振る舞いたいです」

――最後に視聴者の皆さまへメッセージをお願いします。

樋口 「作品への思いが強ければ強いほど良い作品になると信じ、樋口幸平が作る瀬ヶ崎瑞貴を好きになっていただけるよう全力で演じました。みんなで作り上げた『体感予報』をぜひ感じてくださったらうれしいです」

増子 「樋口幸平と増子敦貴の今の関係が築けたからこそ、この瑞貴と葉を完成することができたと思っています。瑞貴と葉の両方の視点でもぜひ『体感予報』を最後までご堪能ください」

――普段からとても仲が良いお二人が演じるBLドラマ、とても楽しみです!

【プロフィール】

__樋口幸平(ひぐち こうへい)
__2000年11月30日生まれ。兵庫県出身。射手座。B型。スーパー戦隊シリーズ「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」(テレビ朝日系)で主演を務めるなど、俳優からモデルまで幅広く活躍の場を広げている。


増子敦貴(ましこ あつき)
2000年1月5日生まれ。福島県出身。山羊座。B型。男女7人組ダンス&ボーカルグループ・GENICのメンバー。また、役者としても活動しており、ミュージカル「テニスの王子様」3rdシーズンや「機界戦隊ゼンカイジャー」(テレビ朝日系)など多くの作品で注目され、俳優としての実績を築いている。

【番組情報】

ドラマシャワー「体感予報」
8月10日スタート
MBSほか
木曜 深夜1:29~1:59 ※初回は深夜1:34~2:04
※地域によって放送日時が異なります
※TVer、MBS動画イズムで見逃し配信あり

取材・文/山本恵代(TBS・MBS担当) 撮影/蓮尾美智子
(樋口)ヘアメーク/齋藤将志 スタイリスト/徳永貴士(SOT)
(増子)ヘアメーク/宮川幸(P-cott) スタイリスト/立松秀顕(TEN10)

© 株式会社東京ニュース通信社