【MLB】エンゼルス、一発攻勢で逆転勝利 大谷は6回1失点で10勝目

写真:6回1失点で10勝目をあげた大谷翔平

エンゼルスが一発攻勢で逆転勝ち。勝率を5割に戻した。ジャイアンツは2回、クロフォードの犠牲フライで先制。その後両チーム無得点が続くも、6回裏にエンゼルスがレンヒーフォのツーベースヒットを足がかりにしてドルーリーが同点タイムリーヒット。さらにムスタカスが勝ち越し3ランホームランを放ち、試合を決めた。

ジャイアンツの先発はライアン・ウォーカー。本来は救援投手だが最近はオープナーとして起用されることが多い。前日はオープナーの失敗が最後まで響いたジャイアンツだが、ウォーカーはランナーこそ出すも無失点。役割を果たした。

エンゼルスの先発は大谷翔平。初回は無失点の立ち上がりを見せるも2回、一死からコンフォートにツーベースヒットを許すと味方のエラーも絡み、クロフォードの犠牲フライで1点を失った。

ジャイアンツの投手は2回から本来の先発であるショーン・マネイアにスイッチ。マネイアは期待に応え、4イニングをノーヒットピッチング。大谷もその後は得点を許さず、6回を5奪三振1失点(自責点は0)の好投。試合は膠着状態のまま6回を迎えた。

6回裏、ジャイアンツはマネイアが続投。エンゼルスは先頭のレンヒーフォが二塁打を放って無死2塁とし、ジャイアンツは3番手のベックがマウンドに上がった。大谷が敬遠で歩いたあと、3番のドルーリーがレフトへのタイムリーヒットを放ち、エンゼルスは同点に追いついた。レフトのピーダーソンのエラーで大谷、ドルーリーはそれぞれ進塁し、無死2、3塁。ここでムスタカスがライトへの3ランホームランを放ち、エンゼルスは勝ち越しに成功する。

7回表、エンゼルスは大谷からホセ・ソリアーノに継投。大谷はそのまま2番・DHとして試合に残る。ソリアーノは2死満塁のピンチを背負うもエストラーダを打ち取って無失点。さらに8回にはマット・ムーア、9回はカルロス・エステベスがそれぞれ無失点に抑え、4-1で逃げ切った。大谷はこの日投げては6回無失点でシーズン10勝目、打席2つの四球を選び、1得点を記録した。

近年外部からの補強を行いながらもなかなか結果につながっていないエンゼルスだが、今日の勝利はまさしく積極的な補強の成果が出たと言っていいだろう。今日勝ち越し打を放ったムスタカスは今年6月にトレードで獲得した選手。また、同点打を放ったドルーリーは昨年12月にFAとなっていたところを獲得した選手だ。補強は確実に実を結んでいる。

確かに、現在のエンゼルスを見て「補強したのにプレーオフに進出することができない」と評することは簡単だ。ただ、裏を返せば「補強していなければより深刻な状態になっていたかもしれない」と見ることもできる。

現状のエンゼルスは故障者がペイロールの大半を占めている上、マイク・トラウトやアンソニー・レンドーンら長期契約を結んだ選手に多くの年俸を払っている。大谷ら主力を放出して立て直しを図ると言えども、大胆な施策を取ることは難しい状況だ。何より、今やエンゼルスを越え、MLB史上に残る大選手に成長した大谷を放出することがチームやファンに与える影響は計り知れなかっただろう。

この点を踏まえれば、ペリー・ミナシアンGM以下エンゼルスのフロント陣は現状を踏まえ、打てる手を打っていると見ていいように思われる。今季のエンゼルスがどのような結末をたどるかは神のみぞ知るだが、少なくとも取った手段すべてが誤っているように見られるのはお門違いだろう。

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