プレミアリーグ、アブラモビッチ前体制におけるチェルシーの財務規則違反を調査

[写真:Getty Images]

プレミアリーグが、ロマン・アブラモビッチ前体制におけるチェルシーの財務規則違反の可能性を調査していることが分かった。『ロイター通信』が報じている。

アブラモビッチ氏は昨年、ロシアのウクライナへの軍事侵攻によりイギリス政府がロシアの新興財閥の資産を凍結したことを受け、チェルシーの売却を決断。その後、昨年5月にトッド・ベーリー氏率いるアメリカ系投資グループの『クリアレイク・キャピタル』に売却した。

チェルシーの新オーナーらは、買収前のデューデリジェンスの際にアブラモビッチ体制下の多くの金銭取引に関して問題があったことを、欧州サッカー連盟(UEFA)、プレミアリーグ、イングランドサッカー協会(FA)に自己報告。

先日にはUEFAと和解協定に同意し、ファイナンシャル・フェアプレー(FFP)違反に対する和解金として、1000万ユーロ(約15億8000万円)を支払うことになっていた。

そして、プレミアリーグで最高経営責任者(CEO)を務めるリチャード・マスターズ氏は9日、前述のUEFAのケースと同様に同リーグがチェルシーの自己報告を受け、前体制下の財務規則違反の可能性を調査していることを明かした。

「我々はチェルシーに関する歴史的問題についてかなりオープンにしてきた。なぜならチェルシーはプレミアリーグとFAに自己申告したからだ。したがって、我々がそれを調査しているのは明らかだ」

「プレミアリーグがクラブが財務規制に違反していると判断し、それに応じるべき訴訟がある場合、その訴訟はクラブに提起されるだろう」

「我々は適正な手続きが可能な限り効率的な方法で、できるだけ早く行われることを望んでいる」

「これらのことを迅速に行うのは必ずしも簡単なことではないが、クラブが規則違反で有罪とされるか否かにかかわらず、我々は正しい答えを求めている」

なお、イギリス『タイムズ』は、この調査には代理人と関係のある非公開のオフショア法人への数百万ポンドの支払いが含まれており、クラブに対して多額の罰金や勝ち点剥奪などの罰則が科せられる可能性があると報じている。

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