「農福連携」に取り組むブルーベリー園 農業を通して障害者に生きがいを

abnは、SDGs達成に向けた取り組みを、自然豊かな信州から発信しています。
17の開発目標から、8の「働きがいも経済成長も」、10の「人や国の不平等をなくそう」に関わる取り組みをお伝えします。

松本市のブルーベリー園は、障害者施設の利用者が作業に加わっています。
全国平均よりも低い、報酬を上げることを目指しています。

松本市の「上高地ブルーベリー園」。
およそ1700本のブルーベリーが収穫期を迎えています。
園のスタッフのほか、市内の障害者施設「あいらいふ南原」の職員と利用者も摘み取り作業をしました。

園は、3つの障害者施設に委託し、農業を通して障害者に生きがいを持ってもらう、「農福連携」に取り組んでいます。
一般的に支払われる工賃は一律ですが、こちらの園は達成する作業量に応じて支払っています。

■上高地ブルーベリー園 大月良則園主
「(障害者が)安価な労働力とみられているのではないかと感じるところがある。汗に見合う報酬を得てもらいたい。その報酬を得ることでしっかり工賃を上げて自分たちの人生を楽しんでほしい」

県によると、2021年度の障害者施設などの利用者の月額平均工賃は1万6153円で、全国平均(1万6507円)と比べても低い水準です。
週5日働いた場合、一日換算で工賃はおよそ800円ほどです。

■あいらいふ南原 金田亜弥子さん
「事業所の者だけで出来ることではないので地域の方や理解してくれる人が一人でも増えて少しずつでも(工賃の)向上につながっていければ」

洋式トイレを設置するなど環境も整備しています。

■スタッフ
「すごいすごい」
■施設の利用者
「今ね教えてもらって」
■スタッフ
「たくさんとったね」

ブルーベリー狩りのほか商品の販売もしていて、今月売り出すのがこちらのジャム。
ラベルにあしらわれた絵は園で働く障害者が描きました。
売り上げの一部は障害者の就労支援に役立てます。

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