元ソニー社長、中鉢良治氏が故郷で講演 宮城・大崎

故郷の思い出も交えながら講演する中鉢氏

 元ソニー社長で国立研究開発法人産業技術総合研究所最高顧問の中鉢良治氏(宮城県大崎市出身)が、大崎市で講演した。故郷の旧鳴子町から世界的企業に進んだ歩みを振り返りながら、「地方の物差し」を持つことの大切さを説いた。

■「地方の物差し持って」 

 中鉢氏は農家の次男に生まれ「楽園だった」という幼少期を経て、仙台二高、東北大へ進学。鉱山工学を専攻した経験から「斜陽産業で学んだため、うぬぼれることがなかった。生涯の宝になった」と述懐。ソニーでの技術開発や出会いを振り返った。
 その上で「東北はかつて都市に米を送り、兵隊を送り、戦後は労働力を送り、電気も送ってきた。全て都市の論理だ」と強調。「都市と地方、それぞれの物差しで互いを測ってはいけない。コンサルなど第三者に任せてはいけない。課題を解決するのは皆さん自身。大崎はやわじゃない。大丈夫」と呼びかけた。
 大崎市、未来産業創造おおさきなどが官民組織「おおさき産業推進機構」の設立に向けて主催。7月25日にあり、経営者ら約90人が出席した。

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