備前市の備前焼作家や窯元などの有志が、石川県能登地方の珠洲(すず)市で5月に発生した地震で被災した珠洲焼作家を支援しようと、復旧資金を募るクラウドファンディング(CF)に取り組んでいる。目標は支援者数500人、金額は300万円。21日まで。
地震は珠洲市で震度6強を観測し、多くの作品が破損したほか、窯が崩れるといった甚大な被害に見舞われた。双方とも長い歴史と、釉薬(ゆうやく)を使用しない焼き締めの美しさを追求する共通点があり、作家が展示会を開いたり、イベントに参加したりして交流を続けてきたことから、備前市ゆかりの人を含め、有志6人が中心になって支援に乗り出した。
CFは7月にスタートし、当初目標の100万円を達成。現在は目標を拡大して支援を呼びかけている。寄付は珠洲焼作家の組合・創炎会に届け、窯の修復や活動費に充ててもらう。他の備前焼作家や窯元も賛同しており、CFの協力者には備前焼や珠洲焼を返礼として発送する。
プロジェクトの代表で窯元に勤める松熊健二さん(37)は「珠洲焼を知ってもらってファンを増やしていくことで、先の長い支援、復興につなげたい」と話している。
珠洲焼は平安後期から作られ、日本海側で広く流通したが、室町後期の15世紀後半に途絶えた。1955年以降、窯跡の発掘調査や研究が進み、70年代後半によみがえった。
CFサービスは山陽新聞社や中国銀行の「晴れ!フレ!岡山」を活用。詳細や支援は(https://readyfor.jp/projects/suzu-bizen)。