マウイ島山火事死者36人に 数十人負傷、1万人超退避

米ハワイ・マウイ島で火災の被害があったラハイナの沿岸部=9日(Richard Olsten/Air Maui Helicopters提供、ロイター=共同)

 【ホノルル共同】米ハワイ・マウイ島で発生した大規模な山火事で、マウイ郡当局は9日、36人の死亡が確認されたと発表した。米メディアによると負傷者も数十人に上り、火災で焼失したり損壊したりした建物は270棟以上に達している。地元当局によると、9日には観光客ら1万人以上が島外に退避した。

 ハワイ王国時代の古都で、観光地としても知られるラハイナで多くの死者が出ている。当局は消火とともに、被害の全容把握や捜索、救助活動を急いでいる。

 8日は2千人以上が避難所で夜を過ごし、観光客ら2千人も空港で足止めされた。オアフ島のホノルルでは数千人規模の避難者を受け入れる準備が進められている。

 在ホノルル日本総領事館は「日本人が被害に巻き込まれたとの情報はないが、安否確認など情報収集を続ける」としている。

 AP通信などによると、今週に入りハワイ諸島のはるか南方を通過したハリケーンの影響で強力な貿易風をもたらす気象条件が生まれ、火があおられて被害が拡大したとみられる。

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