書と彫刻融合 彫書家・彫無季の没後30年記念で 「味があり奥深い」/岡山・津山市

岡山県津山市の津山郷土博物館の企画展「彫無季〝彫書とその世界〟」が開かれ、書と彫刻を融合させた独特の作品が愛好者らを楽しませている。9月18日まで。

津山町(現・津山市)出身の彫書家・彫無季(1904〜1992、本名・河野省三)の没後30年を記念し、25点を展示している。

創作した熟語を大胆なのみさばきで浮き彫りにし、白や緑で着色。文字の周囲の木目を生かし、前衛的で遊び心のある作風に仕上げている。このほか肉筆の書も並び、略画的に表現したアジサイの墨絵も面白い。

岡山市から訪れた豫風孝志さん(87)は「味のある立体的な彫りが素晴らしい。数文字の単語に意味が集約されていて奥深い」と話していた。

© 津山朝日新聞社