「NPT体制の崩壊」に危機感 中満国連事務次長

記者会見する国連軍縮担当上級代表の中満泉事務次長=10日午後、東京・内幸町の日本記者クラブ

 国連軍縮担当上級代表の中満泉事務次長が10日、東京都内の日本記者クラブで記者会見し、核拡散防止条約(NPT)再検討会議で最終文書が採択できない事態が続いている状況に「NPT体制の弱体化や崩壊につながりかねない」と危機感を示した。2026年の会議に向け、核保有国に核軍縮に向けた合意形成の重要性を訴えていく必要があると強調した。

 再検討会議は原則5年に1回の開催で、過去2回は連続で決裂。中満氏は次回も成果が出ない場合「加盟国間の欲求不満がNPT体制への諦めに変わる可能性がある」と指摘。11日に閉幕する第1回準備委員会では、再検討会議の進め方についても議論されていると説明した。

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