未知の素粒子、存在か 米国立研、25年にも結論

ミューオンg―2実験のイメージ

 【ワシントン共同】物質を構成する最小単位「素粒子」に、従来の物理学では想定していなかった新しい種類があるかもしれない。常識を覆す発見に迫る実験の経過を、米フェルミ国立加速器研究所のチームが10日、発表した。素粒子の振る舞いを記述し、世界の成り立ちの根本部分を説明してきた「標準理論」が今後、修正を迫られる可能性もある。

 この実験は、素粒子の一つ「ミュー粒子」の磁力を精密測定するもの。標準理論に基づく計算値と、実験で計測した値に食い違いがあり、そこに未知の素粒子が作用したと示すのが目的だ。今回は6年かけて集めたデータのうち前半の解析結果を発表した。最終結果は2025年の見込み。

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