植物の重力感知仕組み解明 農作物改良へ期待、米誌に発表

シロイヌナズナの根の重力感受細胞内で粒状のアミロプラストが重力方向(下向き)に沈降する様子を捉えた動画の一場面(基礎生物学研究所植物環境応答研究部門提供)

 基礎生物学研究所などのチームは、植物が細胞内で重力の方向を感知し、伝達する仕組みを解明したと、10日付の米科学誌サイエンスに発表した。葉や根の伸びる方向は重力が影響して収量に関連するとされ、森田美代教授は「農作物の改良につながるかもしれない」と期待している。

 植物には重力を感じて成長する方向を変化させる特性がある。細胞内でデンプンを蓄積する小器官「アミロプラスト」が重力方向へ沈むことで感知するとされている。

 チームは、アミロプラスト上にもLZYタンパク質を発見。重力の方向を変化させると、沈んでいくアミロプラスト近くの細胞膜へLZYタンパク質が移動することも確認した。

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