「めちゃくちゃ悔しかったけど…」畑岡奈紗は“最悪”ダボを跳ね返す6バーディ

試練もありながら、悲願のメジャー制覇へ好発進を決めた(撮影/村上航)

◇海外女子メジャー最終戦◇AIG女子オープン(全英女子) 初日(10日)◇ウォルトンヒースGC (イングランド)◇6881yd(パー72)

出だし5ホールで3バーディ。リーダーボードの一番上に名前を乗せた畑岡奈紗だったが、6番(パー5)で試練が訪れた。1Wショットを右サイドの深いバンカーに打ち込み、セカンドは出すだけ。3Wの3打目もフェアウェイの傾斜ではねて右ラフに転がった。

やや沈んだライで、ピンは右手前。グリーンにキャリーさせれば止まらない状況だった。左側のグリーン面まで広く使うはずのアプローチが下をくぐり、目の前のバンカーへ。痛恨のダブルボギーを喫した。「最悪でした。めちゃくちゃ悔しかったですけど、半分以上残っている。切り替えてやろう、と」

日本のエースとして歩みを進めてきた(撮影/村上航)

自らを奮い立たせた7番のティショットも左に曲げ、左下がりの厄介なラフへ。「あそこで(ボギーをたたいて)イーブンにしてしまうと、流れも悪くなっていた」。3m以上を残したパーパットをねじ込んだことが大きかった。

スタート前の修正がグリーン上で生きた(撮影/村上航)

ピンチをしのぎ、チャンスもしっかり打ち切って6バーディを重ねたグリーン上は、朝の修正が実った形。動画でストロークを確認すると、スクエアなスタンスに対し、肩だけクローズ気味に構えていることに気付いたという。「感覚はいいので、うまくラインさえ読めれば決めていける」と力強い。

もう「惜しい」では終わらせない(撮影/村上航)

「全米女子オープン」、「アムンディ エビアン選手権」と直近のメジャー2試合を最終日最終組で戦い、今季最後の大舞台でも首位と2打差の2アンダー7位で滑り出した。「まずまずですかね。3つ(3アンダー)まで行っていたので、落としてしまったのが悔しい。5つくらい行っても、おかしくない内容だった」。悲願のメジャータイトル奪取へラウンド中はフラットなメンタルを心掛けつつ、貪欲さを失わないのが日本のエースだ。(イングランド・サリー/亀山泰宏)

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