期待の赤系ブドウ本格デビュー 山梨「甲斐ベリー7」 種なし、皮ごと食べられる

市場出荷が始まった「甲斐ベリー7」(10日、山梨県南アルプス市で)

市場出荷が始まった「甲斐ベリー7」(10日、山梨県南アルプス市で) 【山梨・南アルプス市】山梨県で今年から、種がなく皮ごと食べられる赤系ブドウの新品種「甲斐ベリー7」の本格的な市場出荷が始まった。「シャインマスカット」の特徴と、酸味が少なく豊かな香りを併せ持つ。JA南アルプス市は10日、露地栽培の14キロを県内で最も早く市場出荷した。

同品種は「シャインマスカット」と「サニードルチェ」を交雑して県果樹試験場が開発。昨年品種登録された。同JAは4年前から苗木を扱う。これまでに組合員ヘ約1200本の苗木を供給している。

今年、生産者1戸が育てた「甲斐ベリー7」の糖度をJAが調べると20に迫り、着色も確認できたため、市場出荷した。生産者は「昨年は着色が良くなかったが、今年は除袋のタイミングや散水など努力をして良い房ができた」と自信を見せる。JA営農経済部の手塚英男次長は「他に類を見ないほど豊かな香りを持つ希少なブドウ」とPRする。

同品種は山梨県内だけの限定栽培品種となっている。

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