「出し切りました」岩井千怜は全身全霊の1アンダー発進

首位と3打差の1アンダー19位で発進(撮影/村上航)

◇海外女子メジャー最終戦◇AIG女子オープン(全英女子) 初日(10日)◇ウォルトンヒースGC (イングランド)◇6881yd(パー72)

「そんなに獲っていたんだ…」。岩井千怜はホールアウト後、イン9ホールで3バーディを奪っていたことを“知った”。集中力を研ぎ澄ませ、タフなコースと必死に向き合っていたから、自らのプレーを振り返る余裕もなかった。

2番でボギーが先行。前半はファーストパットが強めに入り、微妙な距離の返しを残すシーンも少なくなかったという。何とか1オーバーに踏みとどまって折り返し、後半は風も吹く中でアジャスト。低弾道のショットを駆使し、ターゲットを広げて攻めるプランがハマって巻き返した。

アイアンショットの飛距離に首をひねる場面も(撮影/村上航)

「全米女子オープン」、「アムンディ エビアン選手権」に続き3試合目の出場となる海外メジャーだが、予選落ちしたエビアンに続いてアイアンショットで思うような距離が出ない場面に首をひねる。「ほかの日本人選手の方々は『ちょっと距離が飛ばない』とか言ってますか?」。思わず“逆質問”するほどの違和感も抱えながら、ハードセッティングに挑む自分を鼓舞して戦う。

自らを鼓舞しながらメジャーの大舞台で戦っていく(撮影/村上航)

「ムズい!でも『自分ならできる!』って言い聞かせていけば、大丈夫」。1アンダー「71」で19位につける堂々の好発進。「上がってみて、このスコアがこの順位だと分かった。ホントに精いっぱい出し切りました」。全身全霊の18ホールを終えてなお、「気持ちを切らさずにもっともっと集中しなきゃって感じです。あしたも、きょう以上に油断しない」と表情を引き締めた。(イングランド・サリー/亀山泰宏)

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