米ヒップホップ界のスター 10人が死亡した「アストロワールドの悲劇」以来初のツアーを告知

ヒップホップ界のスター、トラヴィス・スコット(31)が、10人が死亡したアストロワールドの悲劇以来初のツアーを告知した。トラヴィスは「UTOPIA:Circus Maximus」ツアーを発表。自身のインスタグラムに「近日中に北米とヨーロッパのUTOPIAツアー日程を発表する。ツアーでファンのみんなに早く会いたい」と投稿した。

そんなトラヴィスは、7日にローマにある古代ローマ時代の戦車競技場チルコ・マッシモ(ラテン語Circus Maximus)で、6万人のファンを前にカニエ・ウェストをゲストに迎えてコンサートを開催したばかり。

この公演は、トラヴィスの新アルバム『UTOPIA』を引っ提げてのもので、初週のセールスは50万枚、全世界で6億5000万以上再生され、2023年リリースされたヒップホップ・アルバムの中で今のところ最大のものとなっている。

21年11月5日、トラヴィス主催の音楽フェス「アストロワールド」でのパフォーマンス中、観客が殺到し圧迫による窒息によって、会場で8人、その後数日の内に病院で2人が死亡して以来、初のツアーとなる。

トラヴィスのチームは、命を落とした当時10歳だったエズラ・ブラウント君の遺族の弁護士ボブ・ヒリアード氏が事故に関する調査結果を発表したことで、新アルバムを「妨害」しようとしていると非難していた。同氏はTMZに「音楽で生計を立てているアーティストにとって、多くの命を奪い、多くの人を負傷させたこの避けることのできた悲劇について、驚くほど無神経なコメントです」「もちろん、彼らは報告書に含まれている事実ではなく、報告書の発表の日がアルバムの売り上げにどう影響するかにのみ焦点を当てるでしょう」

「スコット氏が、自分が不起訴になったからといって、自分に罪はないというような無謀で事実に反する発言を弁護士やスポークスマンにさせるのは、10歳のエズラ君や、この悲惨な夜の他の犠牲者たちの記憶に対する傲慢で侮辱的な態度です」と語っていた。

しかし数日前、トラヴィスの代理人は同氏に反撃した形で、TMZに対しこう語っている。「前にも言ったように、ヒューストン警察の報告書はファンの安全をトラヴィスが心配していたことを裏付けています」「この報告書には、トラヴィスを起訴する根拠がないと判断したヒューストンの大陪審に提出されたものと全く同じ証拠が含まれています。その報告書を利用して、アストロワールドの悲劇の責任をトラヴィスになすりつけようとすることは、論理に反するだけでなく、犠牲者を搾取し、大衆を心理的に操ろうとする冷笑的な試みとしか思えません」

(BANG Media International/よろず~ニュース)

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