地元歓迎「おかえり」 ロッキン、茨城・ひたちなか復活

ロック・イン・ジャパン・フェスティバルを象徴するJR勝田駅東口前のオブジェ=ひたちなか市勝田中央

茨城県ひたちなか市で毎年夏に開かれ、昨年から千葉市に会場を移していた「ロック・イン・ジャパン・フェスティバル」が、来年9月に国営ひたち海浜公園(同市馬渡)で開催されることが決まった。5年ぶりに戻ってくる「ロッキン」。地元関係者からは「おかえり」「地域活性化につながる」など喜びの声が相次いだ。

ひたちなかの夏の風物詩だった同フェス。2019年までの開催期間中は「ROCK」とプリントされたTシャツ姿の若者が、まちのにぎわい創出に一役買っていた。

5年ぶりの開催について、多くのファンが訪れていたご当地グルメ「スタミナラーメン」発祥の「中華大進」(同市元町)の川崎正悟さん(74)は「再び多くの人に味わってほしい」と期待。「コロナ禍で苦労した飲食店の売り上げ増にもつながるのではないか」と声を弾ませる。

フェス期間中は市内で宿泊予約を取るのが難しく、ホテルや旅館は毎年のように満室だった。

同市阿字ケ浦町の旅館「阿字ケ浦クラブ」の黒沢広忠支配人(60)は「以前泊まってくれた人たちとの再会を心待ちにしている」と話す。フェスは来年が25周年という節目に当たるため同公園に戻ってくるが、「25年以降もひたちなかで開催されるよう機運醸成に努めたい」と意気込む。

同県大洗町にも多くのフェス参加者が滞在。割烹(かっぽう)旅館「肴屋本店」の大里明さん(46)は「参加者は確実に部屋を埋めてくれる。ロッキンが戻ってくれるのはありがたい」と語った。

市観光協会の海野泰司会長は、幅広い産業にもたらす経済効果を挙げながら、「多くの若い人たちが戻ってくると思うとうれしい。地元としておもてなしの心で迎えたい」と話した。

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