レール摩耗 原因か/大鰐線・脱線 弘南鉄道会見/事故陳謝、バス代行開始

会見冒頭、脱線事故発生をわびる成田社長(中)ら=10日午後、平川市の弘南鉄道本社

 6日に青森県大鰐町で発生した弘南鉄道大鰐線脱線事故を受け、弘南鉄道は10日、平川市の本社で会見した。同社は事故原因の可能性の一つとして「車輪との摩擦によるレールの摩耗」が考えられると明らかにした。運転再開の見通しは依然立っておらず、同日午後からバスによる代替輸送を始めた。

 冒頭、成田敏社長が「重大な事故を発生させてしまった。改めておわび申し上げる」と陳謝。「事故原因特定には至っていないが、想定される要因を一つ一つ取り除き、早期の運転再開に向けていきたい」と述べた。

 同社の説明によると、事故現場のようなカーブでは、車輪とレールの摩擦が通常時より大きくなるという。船越信哉取締役常務は、現時点で断定できる事故原因はないとした上で、「レールと列車車輪のフランジとの接触面の摩擦が一つと推定している」とした。事故後の調査では、レールの摩耗の程度は基準値内だったが安全面を最優先し、現場付近のレールを交換。損傷した枕木の交換も随時行っていく。

 今後、調査結果や過去の事故事例を踏まえ、さまざまな視点から再発防止策を講じる。レールの検査、車両整備の状況管理などを再確認し、必要がある場合は見直しする。運転再開については総合的に判断するとし、船越氏は「現時点でいつ(再開)とは言えない」と運休が長期化する可能性を示唆した。

 利用者の足確保のための代替バスは、1日17便運行。沿線駅最寄りバス停、臨時バス停を利用する。

 事故は6日午前11時32分ごろ発生。大鰐駅発中央弘前駅行きの2両編成の後ろの車両が進行方向左側に脱線。運転士1人と乗客18人にけがはなかった。

© 株式会社東奥日報社