らんまん第19週振りかえり・ヤッコソウ

裕福な造り酒屋の跡取り息子として生まれた主人公が、やがて植物学者となってひたむきに草花と向き合っていく姿を描く連続テレビ小説『らんまん』(NHK朝ドラ)。8月12日は、「ヤッコソウ」と題する第19週(8月7日〜11日放送)を振りかえる。

山元虎鉄(寺田心)に案内してもらい、ある植物を発見する万太郎(神木隆之介)(C)NHK

愛する娘・園子を麻疹で失った主人公・万太郎(神木隆之介)と妻・寿恵子(浜辺美波)は、その悲しみから立ち直れずにいた。駆けつけた寿恵子の母・まつ(牧瀬里穂)はそのまま残り、長屋の住民の倉木夫婦(大東駿介、成海璃子)やりん(安藤玉恵)も心配して見守るが、身重の寿恵子は床に伏せたまま食事もできないほどに憔悴してしまう。

園子を亡くしたのは自分のせいだとそれぞれ責任を感じていた2人だったが、万太郎は「いつか自分たちが園子のところに行くときに、園ちゃんが喜んでくれるような図鑑を持っていこう」と寿恵子に誓う。翌日、万太郎は、寿恵子の好物の「かるやき」の作り方をまつに習う。寿恵子は万太郎が作ったかるやきを口にし、久しぶりに過ごす和やかな時間に2人はようやく笑顔を浮かべるのだった。

深い悲しみのなかで寄り添いあう万太郎(神木隆之介)と寿恵子(浜辺美波)(C)NHK

ほどなくして、寿恵子は無事に第2子の千歳を出産する。喜びを噛みしめる2人だったが、その矢先にロシアの植物学の権威・マキシモヴィッチ博士の訃報が届く。ロシアに渡り、博士のもとで植物学の研究を続けるつもりの万太郎だったが、その道は断念せざるを得ないと判断する。

それでも前向きに、自分ができる限りの研究を続けようと誓う万太郎のもとに、高知・土佐から姉の綾(佐久間由衣)と竹雄(志尊淳)がやってくる。実家の造り酒屋「峰屋」の暖簾を下ろすことになったと深く詫びる2人に、万太郎はショックを受けるものの、2人が自分たちの行動を後悔していないことに安堵する。

また、竹雄も東京大学の研究室を追われた万太郎を心配していたが、寿恵子とたくましく生きる様子を見て安心する。そして、「峰屋」を守りきれずに失って意気消沈していた綾も、長屋の住人たちが自由に力強く生きる姿を見て勇気をもらうのだった。

綾(佐久間由衣)の言葉に耳を傾ける万太郎(神木隆之介)、竹雄(志尊淳)(C)NHK

やがて綾と竹雄が土佐へと戻り、万太郎は大学に寄贈を命じられた標本のため植物採取の旅にでる。ある日、中尾質店を訪れた寿恵子は、新聞に連載されている小説がふと目に入る。田邉教授(要潤)と妻・聡子(中田青渚)を連想させる設定と、その卑劣な内容に胸騒ぎを覚えた寿恵子は、急いで田邊の屋敷へと駆け出していく。

田邊の屋敷周辺には野次馬が集まり、警察が来る事態となっていた。そんななか、友人として駆けつけてくれた寿恵子に聡子は心から感謝するが、そこへ田邊が帰宅する。一方の万太郎は、植物採集のために高知の山を訪れていた。山奥で虎鉄(寺田心)という少年と出会った万太郎は、彼の案内で珍しい植物を発見し・・・。

本作は、「日本の植物学の父」と謳われる牧野富太郎(まきのとみたろう)の人生をモデルに、愛する植物のために情熱的に突き進む植物学者とその妻の波乱万丈な生涯の物語。放送は、NHK総合で朝8時から、またBSプレミアム・BS4Kでは朝7時半からスタート。土曜日はその週の振りかえり。

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