真備の歴史、文化生かした復興を 豪雨5年、倉敷市がシンポジウム

真備町地区の復興をテーマに開かれたシンポジウム

 西日本豪雨から7月で5年経過したのを踏まえ、倉敷市は11日、甚大な被害が及んだ真備町地区の復興をテーマにしたシンポジウムを同市真備町箭田のマービーふれあいセンターで開催した。住民や有識者らが災害の経験や地元の歴史・文化を生かした復興の在り方について議論した。

 5人が登壇し「これまで、これからの真備を考える」と題して意見交換。市民ら約700人が聴いた。

 真備地区復興計画推進委員会の委員を務める加藤孝明東京大教授は「住民が力を結集し、想像以上に復興が早く、元気に進んでいる」と指摘。真備地区まちづくり推進協議会連絡会の高槻素文会長は「豪雨後も地元ゆかりの吉備真備の顕彰活動に休まず取り組んだ」と述べ、歴史・文化のバックボーンが住民の連帯の原動力になっていると強調した。

 伊東香織市長は被災の教訓を踏まえたまちづくりを市内全域で進めていく考えを示し「復興を通じ、よりよい地域をつくっていく」と決意を述べた。

 直木賞作家・安部龍太郎さんによる「吉備真備の物語」と題した基調講演もあった。

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