トッテナムを率いるアンジェ・ポステコグルー監督が、バイエルン行きが決定的となったイングランド代表FWハリー・ケイン(30)について言及した。イギリス『フットボール・ロンドン』が伝えている。
自身のキャリアにおいてトロフィー獲得を熱望し、今夏の移籍が既定路線とされたケイン。そして、ここまで唯一明確な獲得の意思を示し続けたバイエルンが直近に掲示した1億ユーロ+アドオン2000万ユーロという総額1億2000万ユーロ(約190億円)というオファーをトッテナムサイドが受け入れる形でクラブ間合意。
ケイン自身もバイエルン行きを決断し、トッテナムの許可が下り次第、11日午後にもミュンヘンに渡る予定だ。
今夏の就任以降、常にエースの去就についての質問を受けながらも明言を避けてきたオーストラリア人指揮官だが、13日に行われるプレミリーグ開幕節ブレントフォード戦に向けた公式会見の場では、初めてエースの去就に関する自身の考えを包み隠さずに語っている。
「正直に言って、私は事態全体を逐一説明していないが、それが起こりそうなところまでは進んでいると言っても過言ではない」
「それは我々に明確さをもたらし、何か予期せぬことが起こらない限り、我々は先に進むつもりだ。私が持っている情報は、契約が差し迫っているということだ。しかし、我々はそこから前進しブレントフォード戦に向けて今日トレーニングを行い、我々はハリーなしでそれを行っている」
「私は(ケインに自分を売り込むという)意味が分からなかった。なぜなら私が言おうとしていたことが無意味になるからだ。私は彼に対して壮大なビジョンを計画できなかったが、彼はそれを以前にすべて聞いていたと確信している」
「私の気持ちは、お互いのことを知ることができるだろうということだけだった。それがこの早い段階を乗り切る最善の方法だ。そうは言っても、最初の会話の後、私の心の中で、彼は次のように決心した。クラブは彼が去ることに同意したが、もしそうでなかったとしても彼は喜んでここに残ってくれたはずだ」
また、ポステコグルー監督は自身が一緒に仕事をしたのは短期間ながらも、ケインがクラブにとって「偉大な人物の一人」だと認識している。
「ハリーがこの決断について自ら語るのが一番良いが、彼がこのクラブの偉大な人物の一人であることは疑いの余地がない。彼の記録がそれを物語っている。私はここに来たばかりで、人々の立場を明らかにするこのクラブのスポークスマンではないが、ハリー・ケインが偉大な人物の一人であることは明らかだと思う」
さらに、開幕直前の段階で世界屈指のストライカーを失うことになったことで、元セルティック指揮官はその絶対的なエースの穴を埋めるという非常に困難な課題に取り組むことに。会見では後釜の獲得の可能性を含め、その課題についての質問が飛んだ。
その中で同監督は「代わりはいない」と率直な思いを語りながらも、就任の段階からケイン不在時のプランを考えてきたことを明かしている。
「ハリーの代わりになる人はいないと思う」
「公平をきすために、我々はしばらくの間、そのことについて計画してきた。これが起こることを知るのにそれほど多くの調査作業は必要なかったからね。これまでの我々のビジネスはそれを反映している。このチームではまだ動きがある」
「(ダニエル・レヴィ会長へのリクエストは?)子供たちのために牛乳とパンを買いに行くという家族の買い物リストとは違う。私の全体的な戦略は、ハリーが近くにいない可能性が高いということだった。したがって、今朝になって緊急で話し合いを行うような類のことではなかった」