●リハビリ中、基礎を一日数百回
●12日、都内でSLS第2戦
東京五輪スケートボード女子ストリート銅メダルの中山楓奈(ふうな)選手(ムラサキスポーツ、龍谷富山高3年)は12日、東京・有明アリーナで行われる世界最高峰プロツアー、ストリートリーグ(SLS)第2戦に出場する。11日は最終調整に臨み、レール(手すり)を使った技を何度も確認した。5月の大会で折った左鎖骨は完治していないものの「フロントK(フロントサイドKグラインド)を決める。1位になりたい」と初制覇に気合十分だ。
中山選手は、手すりにボード板を滑らせる技などを試し、東京五輪金メダリストの西矢椛(もみじ)選手(サンリオ)らと談笑するなどリラックスした様子で調整を進めた。
SLS日本初開催となる今大会のコースには、自身の身長より高いセクション(構造物)が設置されている。中山選手は「思っていたより大きくて慣れるまで時間がかかったけど、楽しいパークだと思った」と話した。練習後には招待された子どもと写真撮影し、サイン攻めにも笑顔で応えた。
5月の負傷後、リハビリ中は基礎的な技を一日数百回も繰り返した。「集中して同じ技をしてきたから前より高さが出てきた」と手応えを語る。完治まではまだ1~2カ月は掛かるというが、「滑っていてすごい痛いわけではない。もう治ったと思っている」と話し、代名詞であるフロントKの成功を誓った。前輪の金具部分を斜めにかけて滑らせるトリックで、さらに板を回してからレールに跳び乗る複合技の挑戦にも意欲を示した。
SLSは2位が過去最高成績。鎖骨骨折の影響もあり、パリ五輪予選ランキング日本勢4番手となっている18歳が、予選突破、決勝での高得点獲得で完全復活をアピールする。
中山選手は富山新聞で「楓奈のスケボーnote(ノート)」を連載している。