茨城県内初プロオーケストラ 「茨城愛」で音楽家結集 9月18日、水戸で演奏会

ウェブ公開された無観客での演奏(2021年1月)

茨城県ゆかりの演奏家で編成した県内初のプロのオーケストラ「イバラキ・ニューフィルハーモニック」が9月18日、水戸市内で初の演奏会を開く。国内で活躍する管弦楽奏者が「茨城愛」をキーワードに結集。「地方にいながら本格的なクラシックのステージを」と意気込んでいる。

演奏会は、いばらき文化振興財団が主催する。「みんなで楽しむオーケストラ」と題し、敷居が高いと思われがちなクラシックを、県民に広く親しんでもらおうと企画された。楽団の演奏に加え、海外でも高く評価されるピアニスト、仲道郁代さん=東京都=がソリストとして出演する。

楽団結成の立役者となったのは、弦楽オーケストラ「イ・ソリスティ・イバラキ室内合奏団」代表で常任指揮者の田口邦生さん(84)=水戸市。今回のように、管楽器を加えた大規模なプロオーケストラは県内初で、「地元愛の下に集まった演奏家ばかり。クラシックの名曲を、身近に楽しんでもらう機会にしたい」と語る。

イバラキ・ニューフィルハーモニックには県新人演奏会の出演者を含め、県内外で活躍する演奏家60人が所属する。田口さんが数年前から、自らの人脈や知人のつてを頼って声をかけ、一人ずつ集めた。結成は2021年だが、これまでの公演はコロナ禍のため無観客の配信のみ。観客を前にする生演奏は初めてとなる。

当日は仲道さんによるベートーベンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」のほか、楽団によるロッシーニ「どろぼうかささぎ」序曲など。指揮を執る田口さんは「茨城で歩んできたオーケストラ人生の集大成。長年の念願がかない、幸せを感じている」と本番を心待ちにする。

演奏会は午後2時から、千波町のザ・ヒロサワ・シティ会館(県民文化センター)。全席自由で一般3千円、大学生以下1500円。問い合わせは同会館(電)029(241)1166。

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