遺族ら鎮魂の祈り 茨城・笠間で戦没者追悼式

約140人が参列した戦没者追悼式=笠間市石井

茨城県笠間市の戦没者追悼式が11日、同市石井の笠間公民館大ホールで開かれた。遺族、来賓を含む約140人が参列し、先の大戦で亡くなった同市出身者1745人に鎮魂の祈りをささげ、恒久平和な世界の実現に日々努力を重ねていくことを誓った。

参列者は菊やユリの花で飾られた祭壇に向かい、全員で国歌斉唱し、黙とう。式辞で山口伸樹市長は「当たり前のように受け取っている現在の平和と繁栄、豊かな暮らしは、戦火の中で国家や家族のために命を落とされた、多くの方々の犠牲の上に築き上げられてきたことを忘れてはいけない」と述べた。

来賓の追悼の辞では、参列した国会議員を代表して福島伸享衆院議員が、茨城県関係の犠牲者が多かったパラオ・ペリリュー島での遺骨収集に参加した体験を披露。市遺族連合会長の海藤清治さんは、戦後78年間、日本が平和国家として歩んできたことに触れ、「英霊の平和への切なる願いと精神が脈々と流れ、受け継がれている」と指摘。「戦争の史実と教訓を語り継ぎ、希望に満ちた社会に向けて努力していきたい」と決意を述べた。

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