4年ぶり「子ども精霊船」製作 島原の小中学生ら 8月15日に練り歩き

切り子灯籠や造花を「子ども精霊船」に飾る子どもたち=島原市白山公民館

 15日の精霊流しを前に、島原市西八幡町の白山公民館で11日、地域住民と小中学生が4年ぶりとなる「子ども精霊船」の製作に取り組んだ。精霊流し当日は、小中学生が船を担いで地域を練り歩き、湊新地町の流し場で船を海に浮かべる。
 子ども精霊船は、ふるさとの伝統を継承しようと白山地区青少年健全育成協議会が1986年に始め、今回で34回目。雲仙・普賢岳大火砕流のあった91年のほかは毎年実施していたが、コロナ禍のため2020~22年は休止していた。
 子ども精霊船作りは約100人が参加。大人が真竹と麦わらを使った昔ながらの工程で精霊船(長さ約3メートル、幅・高さ各約2メートル)を製作。小学生らは胴体の巻わら、中学生らは島原伝統の「切り子灯籠」(高さ約1.6メートル)を担当した。
 切り子灯籠作りに挑戦した、いずれも市立島原第二中2年の森本李咲(りさ)さん(14)は「木の骨組み作りが難しかった」、菅崎望愛(もあ)さん(13)は「幼稚園の頃から飼っていた猫が5月に死んだので、この船で天国に送ってあげたい」と話した。
 同市によると、今年の精霊流しは午後7時~9時頃、市内各地であり、精霊船44隻が練り歩く。約2万人の人出を見込んでいるという。

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