チームメイトが小林可夢偉のNASCAR初テストを絶賛「限界に対する感覚には本当に感銘を受けた」

 8月13日、アメリカ・インディアナ州に位置するインディアナポリス・モーター・スピードウェイのロードコースで、NASCARカップ・シリーズにデビューを果たす小林可夢偉。既報のとおり、可夢偉は7月にバージニア・インターナショナル・レースウェイでの実走テストでカムリのカップカーをドライブしているが、そのテストに立ち会ったチームメイトが、可夢偉の順応性の高さを絶賛している。

 6月のル・マン24時間で発表されたとおり、可夢偉は23XI RacingよりNASCARカップ・シリーズ第24戦『ベライゾン200アット・ザ・ブリックヤード』に出場する。日本人ドライバーとして初めてトヨタの車両をカップ・シリーズで走らせることになる可夢偉は、シミュレーターでのテストに加え、バージニアでの実車テストで事前の準備を行い、レースウイークの12日土曜に行われるプラクティスと予選に臨もうとしている。

 昨年まではリチャード・チルドレス・レーシングから出走し、今年23XIレーシングに加わりカップ・シリーズ4年目のフル参戦を迎えているタイラー・レディックは、チームメイトとなる可夢偉の実車テストに帯同。その時の様子を、NASCARの公式サイトに対し語っている。

「まったく時間がかからなかったんだ」とインディアナポリス・ロードコースのディフェンディング・ウイナーでもあるレディックは言う。

「彼がいかに早くマシンに適応したか、本当に感心した。 3周目には、僕らが週末に予想していたペースとほぼ同じペースで走っていて、それから彼はそのタイムを削り続けたんだ」

「だから彼のクルマのコントロールと、このクルマとタイヤの限界に対する感覚には、本当に感銘を受けたよ」

NASCARカップ・シリーズに23XIレーシングの45号車トヨタ・カムリで参戦しているタイラー・レディック

 可夢偉は重量のあるストックカーのドライビングに慣れなければならないが、それと同時にレースの、とくに終盤におけるリスタートにおいて、メインストレートから1コーナーへと進入する際の、コンタクトを伴った激しいNASCARのドライビングスタイルに適応することも必要だ。

「僕らはそのことについて何度か話し合ってきたし、(レースが)近づくにつれて、それはこれからもトピックになるだろう」とレディックはコメントしている。

「確かに少し混沌としていて、ドライバーたちはよりアグレッシブになる。この手のクルマは、ドア・トゥ・ドア、バンパー・トゥ・バンパーで接触しても、あまりダメージを受けないんだ。だから、彼にそのことを理解させながら走らせることが重要になる」

 NASCARインディアナポリス戦のプラクティスと予選は12日に行われた後、13日の現地時間14時30分(日本時間14日3時30分)にスタートが切られる。

2022年シーズンのNASCARインディアナポリス戦の様子

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