Netflix映画『ゾン100』出演の栁俊太郎にインタビュー! 親友役・赤楚衛二の言葉に思わず涙

アニメ化もされた人気コミック『ゾン100~ゾンビになるまでにしたい100のこと〜』の実写映画が、8月3日よりNetflixにて世界独占配信中。ブラック企業で働くこととなった主人公が、ゾンビパンデミックで崩壊した世界で逆に生きる活力を取り戻すというアクションコメディだ。entax取材班は、この作品で主人公アキラ(赤楚衛二)の親友・ケンチョ役を演じた栁俊太郎にインタビューを実施。共演した赤楚衛二や白石麻衣との撮影エピソードや見どころを聞いた。ゾンビに囲まれる緊迫感を持って演技をするあまり、思わず涙を流したシーンとは…?

■三枚目の役柄に初挑戦するも、実は素の自分に近かった?

――Netflix映画『ゾン100〜ゾンビになるまでにしたい100のこと〜』に出演が決まった感想を教えてください。

栁 『ゾン100』の前にもNetflixで『今際の国のアリス』(2020年)という作品に参加したのですが、どちらも作者が麻生羽呂さんなんです。同じ麻生さんの作品で、Netflix制作ということもあり、壮大なスケールの撮影や世界観になるだろうなということは予感していました。なのでシンプルにうれしかったです。

――栁さんは赤楚衛二さん演じる主人公アキラの学生時代からの親友・ケンチョ役でした。演じてみていかがでしたか?

栁 今までああいった三枚目の役柄を演じたことがなかったので、初めての挑戦でした。普段の自分とはかけ離れた役だと思って現場に入ったのですが、『今際の国のアリス』でも一緒だったプロデューサーの森井さんが、オフの状態の自分を見て「栁くんははたから観たらケンチョみたいな性格だよ」と言ってキャスティングしてくれたそうなんです。あぁ、そういう風に見えているんだ、と自分自身のことを改めて知ったような感じでした。そのせいか、芝居をしていても思ったより違和感がなかったので、意外とケンチョと近い部分はあるのかな、と思いました。

――例えばどのあたりが似ていると感じましたか?

栁 僕はわりといじられキャラというか、笑わせるよりは笑われている感じなので、そこが似ているかもしれません。あと、ビビリなところも似てますね。僕もビビりなので。

――かわいらしい役でしたよね、ケンチョは。

栁 そうですね、人間味がありますよね。肝心なところで逃げ出したりもするけれど、愛されるキャラクターだなと思いました。でも、そういう人間が物語を通して仲間と一緒に成長する姿は感動しますよね。マンガが原作ですが、実写映画ならではの人間味がある部分は出せたらいいなと思って演じました。

■赤楚衛二とは撮影中、部活の合宿みたいに楽しく過ごした

――赤楚さんとは何度か共演されていると思いますが、今回アキラとケンチョという親友同士の関係性で共演してみていかがでしたか?

栁 今までの共演では敵対する役だったり、あまり近い関係性で芝居したことがなかったので、やっと楽しく過ごせる現場で一緒になれたね、という話をしていました。衛二自身がアキラみたいな性格で、ずっとニコニコしていて一緒にいるとこちらまで明るくなれるような人なんです。短い期間で親友同士の関係性をつくり上げたいということもあり、撮影中はずっと一緒に行動していました。地方ロケの最中は、ホテルの部屋でずっと話し込んだりして、部活の合宿っぽい楽しさがありました。

――赤楚さんとの共演シーンで特に印象に残ったところを教えてください。

栁 (赤楚さん演じる)アキラが助けに来てくれたところかな。でも、アキラと一緒のシーンは毎回印象に残っていますね。居酒屋でケンカをしたシーンや、アメフトのシーンもそうです。ケンチョが常に情けなくて、唯一甘えられるのがアキラ、というシーンが多かったので、どれも印象的でした。

■コメディだけど演じる側は真剣にゾンビから逃げている

――撮影現場の雰囲気はいかがでしたか?

栁 ゾンビものということでファンタジー要素があるコメディに見えると思うのですが、演じている僕らとしては笑わせようという感覚はあまりなくて。ゾンビだらけの異世界でゾンビから逃げようと真剣にやっていることが、見る側からはおもしろいと思うんです。演 じている側はいたって真剣でした。どうやってゾンビから逃げるのか、こういう時はどういう対処をするのか、といったことを監督と話し合いながら、必死に走って必死に逃げて、という現場でした。

■実はノリが良かった白石麻衣

――途中から一緒に行動することになる、シズカ役の白石麻衣さんとの共演はいかがでしたか? アクションシーンが印象的でしたよね。

栁 白石さんのアクションすごかったですよね。僕はゾンビからひたすら逃げるばかりであまりアクションはなかったのですが、白石さんは撮影の合間にもかなりアクション練習をしていましたし、かなりキレがある動きができる方だなと思いました。
白石さん、最初はシャイというか……お互い構えていたところがあって、こちらも「相手はスターだし、話しかけていいのかな」という雰囲気があったんです。でも、実はめちゃくちゃノリが良くて、最初に感じた壁がなくなってからは、みんなで「麻衣ちゃん、麻衣ちゃん」と呼んで楽しく過ごせました。実際は引いていたのかもしれないですけど(笑)、白石さんもニコニコ笑って対応してくれて、素朴でいい方だなと思いました。

主人公の親友・ケンチョ役を演じる栁俊太郎

■アキラとシズカと3人のシーンはひたすら楽しいロードムービーに

――アキラとシズカと3人で水族館を目指す道中はロードムービーみたいで楽しそうでした。

栁 本当に旅行みたいでした。3人で花火をしたり温泉に入ったり、車で移動しながら楽しむシーンは撮影もまとめていただいたので、ここはもう楽しもう! と。実際に地方の温泉に入ったり、ただただ楽しい撮影でした。キャンプのバーベキューシーンはすごくきれいな場所で、3人でマシュマロ焼いたりして。その日はその撮影だけだったんですよ。だからのんびりとそのシーンを楽しみながら過ごせました。他は緊迫感のあるシーンの連続だったので、そこだけは緊張感なくリラックスして挑めました。

――ケンチョ役として、こだわって芝居をしたシーンはどこでしたか?

栁 僕自身はあまりゾンビと戦うというシーンはなく、ひたすらゾンビにビビッて本気で逃げ回って、というところはリアリティを持たせたくて緊張感を持って演じました。サメゾンビとの対決シーンがあるんですけど、そこでやっとケンチョの成長が見られると思うので、そのシーンに向けてちょっとずつテンションを上げていくというか、絶対に尻すぼみにならないように、というのは意識して芝居しました。

――ちょっとしたお色気シーンがコミカルに描かれていますが、ご自身で思わず笑っちゃったところはありますか?

栁 確かに歌舞伎町で二人の女性とイチャつくシーンはありましたが、実はあそこくらいなんですよ、ふざけているのって。見る側が思わず笑っちゃうようなシーンも、ケンチョ本人はいたって真剣なんですよね。

■友情を感じるあるシーンではつい涙が出てしまった

――栁さんの一番気に入っている、ここに注目してほしいシーンを教えてください。

栁 もちろんゾンビとの攻防戦やアクションを見てほしいというのはありますが、人間ドラマや友情ももう一つのテーマとして描かれているので、そこにも注目してほしいです。
ケンチョがアキラに電話で助けを求めて「助けに行くよ」と言ってくれたシーンでは、別に涙を流すほどのシーンではなかったんですけど、実際に僕、あのシーンで泣いちゃって。客観的に見るとすごくおもしろい状況なんですよ。場所はラブホテルで、相手の女性は縛り付けられた状態でゾンビになっていて(笑)。でも僕自身は、アキラがそこに助けに来てくれるというのに感動して泣けちゃって、そのくらいの緊迫感を持って演じていました。見る側は笑って見てもらって結構なんですけど、僕としては人間ドラマや友情の描き方としてすごく好きなシーンでした。

(前後編の後編につづく)

スタイリスト:伊藤省吾(sitor)
ヘアメイク:速水昭仁(CHUUNi)

【栁俊太郎(やなぎしゅんたろう)Profile】
2009年に第24回メンズノンノモデルオーディションでグランプリを受賞。パリコレクションやミラノコレクションなどに出演。2012年に俳優デビュー。世界190カ国に配信されたNetflix「今際の国のアリス」をはじめ、映画やドラマで話題作に続々出演。2022年は10本以上のドラマ、映画に出演。直近ではフジテレビ連続ドラマ「スタンドUP スタート」に出演した。7月期テレビ朝日連続ドラマ「ハレーションラブ」に出演中。

【作品情報】
Netflix映画『ゾン100〜ゾンビになるまでにしたい100のこと〜』
2023年8月3日(木)からNetflixにて世界独占配信中
原作:麻生羽呂・高田康太郎
「ゾン100~ゾンビになるまでにしたい100のこと~」(小学館「サンデーGXコミックス」刊)
出演:赤楚衛二、白石麻衣、栁俊太郎、市川由衣、川﨑麻世、早見あかり、筧美和子、中田クルミ、ドロンズ石本、中村無何有、谷口翔太、佐戸井けん太、北村一輝
監督:石田雄介
脚本:三嶋龍朗
企画・制作プロダクション:ROBOT

©️麻生羽呂・高田康太郎・小学館/ROBOT Netflix映画『ゾン100〜ゾンビになるまでにしたい100のこと〜」

© 株式会社 日テレ アックスオン