ハワイ州知事、初動対応検証へ マウイ島火災、警報不備で

山火事で焼損した米ハワイ・マウイ島ラハイナ=11日(ゲッティ=共同)

 【ホノルル共同】米ハワイ・マウイ島の山火事で、ハワイ州のグリーン知事は11日、住民に危険を知らせる警報サイレンが作動しなかったことを受け、当局の初動対応を検証する考えを示した。米メディアに語った。住民らは避難を促す通知も届かなかったと証言しており、情報が行き渡らず被害拡大につながった可能性が指摘されている。

 マウイ郡当局は11日、火災による死者は計80人になったと発表した。島西部の観光地ラハイナを襲った火災は11日午後時点で85%が鎮圧された。

 地元当局によると、ハワイ州には津波などの災害を知らせる警報サイレンが約400設置されているが、州、郡いずれでも誰かが作動させようとした形跡はないという。

 グリーン氏は、当時は複数の山火事が同時に発生し「島全体が非常に流動的な状況だった」と指摘。ラハイナ周辺の火災が一時的に弱まったため消火活動の重点を別の地域に移したところ、再び火が燃え広がったとも説明した。

11日、山火事に見舞われた米ハワイ・マウイ島で、木々を片付ける人(ゲッティ=共同)

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