新型トライトンのシェイクダウンが完了。三菱ラリーアート、アジアクロスカントリーラリー連覇に向け発進

 新型ミツビシ・トライトンの3台体制で、8月13日(日)から19日(土)まで、タイとその隣国のラオスで開催されるAXCRアジアクロスカントリーラリー2023に参戦するチーム三菱ラリーアートが、参加車両のシェイクダウンを終えた。

“先代”トライトンでの初出場初優勝を達成した2022年に引き続き、タイのタント・スポーツに技術支援を行うかたちでAXCRに挑むチーム三菱ラリーアート。元ダカールラリー2連覇王者の“レジェンド”増岡浩が総監督を務めるチームは、国内外での2度のテストで約2000kmにおよぶ耐久テストを実施し、ラダーフレームから完全新設計となっている新型トライトンの改造クロスカントリー仕様車を開発してきた。

 そのチーム三菱ラリーアートは今月10日(木)、まもなくタイで開幕する過酷なラリーに先駆け、同国のチョンブリ県シラチャにあるミツビシ・モーターズ(タイランド)・カンパニー・リミテッドのテストコースにおいて、新型トライトンのシェイクダウンを実施した。ここでは力強い走りと軽快なハンドリングを実現した3台のトライトン“T1仕様”が狙いどおりに仕上がっていることが確認されている。

 2022年ウイナーのチャヤポン・ヨーター/ピーラポン・ソムバットウォン組と前年5位のリファット・サンガー/シューポン・シャイワン組、新たにチームに加わった田口勝彦/保井隆宏組からなる新体制を築いた増岡総監督は、2連覇を目指す戦いに向けて準備は整っていると語った。

「総監督としてチームを勝利に導くために、これまでラリーで培ってきたノウハウを活かし、チーム体制を整えながら、ラリーカーを仕上げてきました」と同氏。

「新型『トライトン』はベース車両のレベルアップもさることながら、昨年の参戦結果を踏まえ、さらに速く・強く・壊れないクルマに仕上げ、シェイクダウンでもその充分な仕上がりを確認しました」

「チームを支えるサービス体制もしっかり作り込み、ドライバー、コドライバーが持てる力を100%発揮できるよう、メンタル面もサポートしています。チーム全体がタフな挑戦に向けて準備万端です。連覇を目指して全力を尽くします」

 四輪部門41台、二輪部門21台、サイドカー部門1台の合計63台が出場する2023年のAXCRは、8月13日(日)にタイ南部のリゾート地、パタヤのウォーキングストリートでセレモニアルスタートが実施され、翌日から本格的なラリーが始まる。14日(月)のレグ1から16日(水)レグ3のゴールであるウボンラーチャターニーまでの区間は、ぬかるんだマッドコースや岩屑が積み重なるような険しい道が戦いの舞台だ。

 17日(木)のレグ4ではタイとラオスの国境を越え、同日からラオスを走行する。この後半戦では木々が生い茂る高原エリアや水田地域を駆るコースが想定されているが、雨量の多い南部に位置するため、スコールによるさらなるコースコンディションの悪化も予想される。ラリーは最終日の19日(土)に世界遺産であるプラーサート・ワット・プー近郊でゴールを迎える予定だ。

チーム三菱ラリーアートの新型『ミツビシ・トライトン』 アジアクロスカントリーラリー2023
シェイクダウンを行うミツビシ・トライトン 2023年アジアクロスカントリーラリー
AXCRアジアクロスカントリーラリー2023で大会2連覇に挑むチーム三菱ラリーアートのメンバー

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