日航事故の遺族4年ぶり参列 墜落から38年、麓で慰霊式

日航ジャンボ機墜落事故から38年となり、追悼慰霊式で手を合わせる人たち=12日午後、群馬県上野村

 1985年の日航ジャンボ機墜落事故から38年となった12日、現場の麓にある群馬県上野村の「慰霊の園」で追悼慰霊式が営まれた。犠牲者の人数と同じ520本のろうそくに火をともし、墜落時刻の午後6時56分に合わせて黙とうした。新型コロナウイルスの影響で、遺族が参列するのは4年ぶり。

 2020~22年は参列者を日航や村関係者に限っていた。黒沢八郎村長は「皆さまの祈りに包まれた式典として挙行できお礼申し上げる。思いをつなぎ、記憶を伝えるこの地を守り続けていく」とあいさつした。

 日航の赤坂祐二社長は式典後「どれだけ年月がたっても犠牲者やご遺族に深くおわび申し上げたい。二度とこのような事故を起こさないよう努力を続ける」と述べた。

 弟の裕史君=当時(11)=を亡くしたカナダ在住の会社員滝下政恵さん(54)は「数年ぶりに参列できてありがたい。風化させたくない」と力を込めた。

 日航によると、12日に現場の「御巣鷹の尾根」に慰霊登山した人は、昨年の2倍近い76家族計272人だった。

「御巣鷹の尾根」にある「昇魂之碑」の前でシャボン玉を飛ばす人たち=12日午前、群馬県上野村
日航ジャンボ機墜落事故から38年となり、「慰霊の園」でいしぶみに刻まれた名前に手を触れる女性=12日午後、群馬県上野村

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