2022年の自殺者数 神奈川は1337人、2年ぶり増加 自殺死亡率は全国2番目に低く 年代別、原因の分析は

神奈川県庁

 神奈川県は2022年に県内で自殺した人が前年比115人増の1337人だったと公表した。増加は2年ぶりで、人口10万人当たりの自殺者数を示す自殺死亡率も14.5で同1.3ポイント上昇した。自殺死亡率は過去3年間、全国で最も低かったが、22年は徳島県(12.5)に次いで2番目に低かった。県は自殺に至る要因は複合的とみて、相談体制の充実や兆候を見逃さず支援につなげる「ゲートキーパー」の養成に力を入れる。

 自殺者の男女別は男性が887人(前年比96人増)、女性が450人(同19人増)。年代別では50代の285人が最多で、全体の約2割を占めた。以下、40代(249人)、20代(188人)、60代(164人)の順に多かった。前年比でみると、40代(50人増)と20代(47人増)の増加が顕著だった。

 自殺の原因・動機の分析(複数計上)では「健康問題」が最多の728人。夫婦や親子関係の不和など「家庭問題」(312人)、生活苦や負債など「経済・生活問題」(274人)、仕事疲れや職場の人間関係など「勤務問題」(214人)が続いた。

 県は「悩みを一人で抱え込まないことが大事。相談しやすい方法で思いを届けてほしい」と呼びかけている。こころの電話相談はフリーダイヤル(0120)821606。

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