〔海外〕2023年7月の災害を振り返る

2023年7月に発生した海外での大規模な災害、事故・事件の案件について振り返ります。

※被害の内訳については、原則的にレスキューナウによる情報取りまとめ時のものです。それぞれの記事の最終更新日以降の状況については反映されていないことがあります。

●7月
【事故】メキシコ南部でバスが崖下に転落
[被害]死者27人以上 負傷者17人
2023年7月5日06:30頃(日本時間同日20:30頃)、メキシコ南部オアハカ州の山間部で、都市間バスが崖から転落する事故が発生した。バスは夜行便で、首都メキシコシティからオアハカ州西部のサンティアゴ・ヨソンドゥアに向かう途中だった。この事故で少なくとも27人が死亡、17人が負傷した。事故発生当時、バスがコントロールを失い、カーブを曲がりきれずに崖を約25m転落したとみられている。現在、機械の故障をはじめとした車体の異常があったとみて、事故原因の調査が進められている。

【自然災害】韓国で梅雨前線による大雨で大きな被害
[被害]死者44人 行方不明者6人
2023年7月9日から17日にかけて、韓国では活発な梅雨前線の影響で大雨となって各地で浸水や土砂崩れなどの被害が相次ぎ、これまでに44人が死亡、6人が行方不明となっている。
最も大きな人的被害が生じたのは中部の忠清北道清州の地下道で、近くの川の決壊により水が地下道に流れ込み、走行中のバスなど15台が巻き込まれ、乗客など14人が死亡した。この地下道については、浸水する4時間前に洪水警報が発表され、その後も避難要請が出されていたにも関わらず、地下道を管理する地元自治体が通行止めの措置を取らなかったことが問題視されている。
このほかにも、南東部の慶尚北道では山間部で地すべりが発生し、複数の家屋が押し流されて死者が出ている。また、忠清北道では土砂崩れに巻き込まれて列車が脱線し、機関士1人が負傷するなど各地で被害が相次いだ。

【テロ】パキスタン北東部で政治集会中に自爆テロ
[被害]死者54人 負傷者200人以上
2023年7月30日16:00頃(日本時間同日20:00頃)、パキスタン北西部カイバル・パクトゥンクワ州のカーで自爆テロが発生した。このテロで子どもを含む54人以上が死亡、200人以上が負傷した。自爆テロが発生したのは与党系の保守派政党「JUI-F」が行っていた政治集会の会場で、テロ当時は政党幹部の演説中で、現場には400人以上がいたとされる。パキスタンでは数週間後に下院解散、秋に総選挙が控えており、選挙活動が行われているところだった。nこの自爆テロについては「イスラム国」(IS)系の武装勢力が犯行声明をSNSに投稿しており、これに対しパキスタンのシャリフ首相は民主主義に反する攻撃だと非難した。

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