<金口木舌>安心できる沖縄の空に

 保育園に通う娘は最近、空模様が気になるようだ。晴れていれば散歩や園庭遊びを楽しめる。雨降りの日は「今日はお外に行けないね」と少し残念そう。一緒に空を眺めれば会話も弾む

▼台風6号の接近で県内に激しい雨が降り注いだ。各地で土砂崩れや冠水が発生し、停電や断水も長期化した。復旧作業が進む中、再び空模様が崩れないか気になっている

▼2004年8月13日、沖縄の空から米軍ヘリが落ちてきた。沖縄国際大学の構内で機体が炎上し、周辺住宅に部品が飛散した。大事故から19年。「世界一危険」と言われる普天間飛行場の閉鎖・返還は実現していない

▼沖縄の空を見上げると、ごう音をとどろかせて米軍機が横切る。墜落事故がたびたび発生し、学校などに部品が落下しても状況は変わらない。飛行中止を求める県民の声が届くことはない

▼米軍機の被害におびえず、安心して暮らしたいと誰もが思っている。空を見て気にかけるのは天気だけにしたいものだ。安全な空の下、子どもたちが楽しそうに駆け回る未来が望ましい。

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