沖縄の夏の安全守りたい 事故防止へ他県の警官も警戒 県警が派遣を要請

 夏の観光シーズンに合わせ事件、事故の抑止を目的に沖縄県外の県警から今年初めて「夏季特別警戒隊」が、派遣されている。石垣島や宮古島、本島中北部の観光地のほか、米軍施設や空港などの重要防護施設周辺の警戒に当たっている。

 11日には本部町備瀬の海岸で、富山県警と表記された防護衣を着用した同警戒隊の警察官らが、行楽客に水難事故防止を呼びかけた。

 観光地であえて制服姿で巡回し、見せる警戒で注意喚起をした。同警戒隊の富山県警八田俊寛警部(41)は「最初は珍しがられたが、地元の人との交流もあり親交が深まった。『沖縄の安心と安全に貢献したい』と隊員たちの士気は高い」と話す。本部町の女性(74)は「水難事故防止を呼びかけてくれて助かっている。ありがたい」と感謝を示した。

 台風6号の災害現場でも飛来物除去などに尽力し、富山県警の警察官らは名護署から感謝状を贈られた。八田警部は「台風災害は想定してなかったが、県民のためにと隊員らは持てる力を実践した。力になれて良かった」と話した。

 夏季特別警戒隊の警察官は、沖縄県警の要請で7月下旬から9月にかけて数十人規模で期間別に他県の県警から派遣される。来県者が多くなる夏場に事案発生時の迅速な対応と「警戒の空白」を生じさせないことなどが狙い。

(高辻浩之)

© 株式会社琉球新報社