美咲の棚田米 レンジで手軽に 町物産センター、パックご飯発売

美咲町物産センターが発売した地元棚田米のパックご飯

 岡山県美咲町原田の町物産センターは、地元の棚田米を電子レンジで温めて簡単に食べられるパックご飯の販売を始めた。農林水産省の「つなぐ棚田遺産」に選ばれている大垪和地区の米を使用。県南のスーパーでも売り出し、おいしさをアピールしている。

 コシヒカリときぬむすめの白米2種類と、コシヒカリに赤米をブレンドした1種類の計3商品。パッケージには棚田の写真をあしらい、田植え直後、春の夕暮れ、青空が映り込む田園風景を紹介している。

 地区の棚田は標高約400メートルの山間地にあり昼夜の寒暖差が大きいため、平地の田と比べて甘みが強い米が育つ。コシヒカリはもっちりした食感、きぬむすめは強い粘りと柔らかさを楽しめ、赤米ブレンドは食物繊維など栄養価が高いという。

 物産センターで農作物の販路拡大や商品開発に取り組んでいる町地域おこし協力隊の鈴木喜久さん(55)らが考案。調理の手軽さや備蓄用として人気を集めているパックご飯に着目した。

 1個150グラム。物産センターでは白米を各250円、赤米ブレンドを280円で販売している。県南ではスーパー・マルナカが扱い、百貨店での提供も検討している。

 鈴木さんは「味や風味、食感など品種による違いを食べ比べ、棚田への理解を深めたり町産米を購入したりするきっかけにしてほしい」と話している。

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